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好酸球増多症候群

白血球は、顆粒球、リンパ球と単球に分けられるが、好酸球は顆粒球の1つである。好酸球は骨髄で幹細胞から分化増殖し、血中に放出された後、主として粘膜組織に分布する。全好酸球の99%は組織に存在し、おのおのの疾患では最終的に標的臓器に集積して機能発揮する。一般的に好酸球の機能は、組織障害と炎症の促進、炎症の鎮静化、組織の再構築、免疫調節自然免疫と考えられている。反応性好酸球増多症が一番多いが、1500/μl以上の好酸球増多が6ヶ月以上持続している場合には、特発性好酸球増多症候群 (hypereosinophilic syndrome; HES)なども考えられる。HESは、アレルギー性疾患や寄生虫疾患などの好酸球増多を伴う原因が欠如し、好酸球増多に直接起因する臓器障害を呈する病態である。

 

好酸球数の基準値

基準値 70~450/μL未満 5%未満(白血球百分率)

 



原因

原因疾患としては以下のものが挙げられるが、一番多いのは反応性好酸球増多症である。

  • 反応性好酸球増多症(2次性好酸球増多症) 

  • Tリンパ球性好酸球増多症

  • 骨髄異形成症候群(MDS) 

  • 慢性好酸球性白血病(Chronic eosinophilic leukemia; CEL) 

  • 特発性好酸球増多症候群(hypereosinophilic syndrome; HES)


好酸球数が1500/μl以上の場合は、査定医回付でしょうかね。また2次性好酸球増多症では、原因となる基礎疾患の評価(rate for cause)も考える必要があるでしょう。


増多の分類としては、500~1500/μlが軽度、1500~5000/μlが中等度、5000/μl~高度増加と考えられている。

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