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HELLP症候群

HELLP症候群とは、妊娠中あるいは産褥期に、次のような症状を呈した場合をいいます。


1. 溶血(hemolysis)

2. 肝酵素上昇(elevated liver enzymes)

3. 血小板減少(low platelet)



HELLP症候群は、多臓器障害を起こして母体の生命を脅かす重篤な妊産婦救急疾患です。HELLP症候群は、全妊娠の0.5~0.9%、重症妊娠高血圧腎症の10~20%に発症します。発症時期は、70%は妊娠中(おおむね妊娠27週以降)であり、30%は産褥期(48時間以内)です。HELLP症候群を発症した妊産婦が高血圧による脳出血をきたした場合の生命予後は極めて不良で、母体死亡の主要な原因です。


血液検査にて、採血によってLDH、肝酵素(GOTとGPT)、血小板数を確認します。一般にLDH>600IU/L、GOT>70IU/Lおよび血小板数<10万/μLを認めるときにHELLP症候群と診断されます。(Sibaiの基準)


HELLP症候群の診断後は、速やかに分娩を行います。つまり帝王切開の実施です。


HELLP症候群は、妊娠高血圧症候群の合併症の1つであることから、医学上重要な関係にある一連の疾患ですね。


(参考)

HELLP 症候群 - 日本血栓止血学会誌第19巻第3号



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