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PFAPA症候群

PFAPA症候群とは、次の炎症の略称で、主に幼児期に発症する非遺伝性自己炎症性疾患です。病因や病態は不明ですが、サイトカインの機能異常(IL-2、TNF-αの上昇、IL-10の低下、IL-1関連遺伝子とIFN誘導遺伝子の発現亢進)が報告されています。


1. 周期的発熱(periodic fever)

2. アフタ性口内炎(aphthous stomatitis)

3. 咽頭炎(pharyngitis)

4. 頸部リンパ節炎(cervical adenitis)


PFAPA症候群の有病率や罹患率は不明です。2歳から5歳の間に発症し、男児に多く見られる傾向があります。発熱が規則的に生じ、3~6日間続きます。この症候群では、発熱、口内炎、喉の痛みや扁桃炎、倦怠感、頭痛などの中枢神経症状が見られます。通常は、小児が成長するにつれて症状がなくなっていきます。



PFAPA症候群の診断基準は下記のとおりです。5歳までに発症する規則的な発熱のほかに、アフタ口内炎、頸部リンパ節炎、咽頭、扁桃炎などが多く見られます。


1. 5歳までに発症する、周期的に繰り返す発熱

2. 上気道炎を欠き、次のうち少なくとも1つの臨床所見を有する

(ア) アフタ性口内炎

(イ) 頚部リンパ節炎

(ウ) 咽頭炎

3. 周期性好中球減少症を除外できる

4. 間欠期には全く症状を示さない

5. 正常な成長、精神運動発達


周期的な発熱を特徴とするその他の鑑別疾患には、反復性扁桃炎、レンサ球菌感染症、若年性特発性関節炎、ベーチェット病、周期性好中球減少症、家族性地中海熱、TRAPS、メバロン酸キナーゼ欠損症などがあります。


PFAPA症候群に特異的な治療法はなく、発熱を抑えるためにステロイド薬が用いられることもあります。薬物療法の効果が乏しい場合は、扁桃を切除する手術も視野に入れます。大半の症例は、時間とともに発熱間隔が広がって症状が緩和し、10歳ごろまでには自然治癒します。後遺症もなく、正常な発達を示します。


(参考文献) [1] 村田卓士ら「PFAPAの診断と治療」Jpn. J. Clin. Immunol., 30(2) 101-107 (2007)

[2] 難病情報センター「免疫系疾患分野|周期性発熱・アフタ性口内炎・咽頭炎・リンパ節炎症候群(PFAPA)(平成24年度)」https://www.nanbyou.or.jp/entry/3243

[3] 周期性発熱-アフタ性口内炎-咽頭炎-頸部リンパ節炎症候群




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