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不安障害

不安障害(anxiety disorder)とは、従来神経症(ノイローゼ)とよばれていたもので、主に心理的原因によって生じる心身の機能障害状態をいいます。一般の健常人が体験するような心身に対する感覚や感情が行き過ぎた状態となります。10歳代後半から40歳代に発症し、一般母集団の有病率は約10%と推定されています。



例えば、不潔なものを嫌悪する感情は誰にでもありますが、それが極端になって、「清潔」を保つために一日に何度も手を洗ったり、何時間も入浴しないと気がすまないなど、社会生活や日常生活が大きく損なわれるような状態(不潔恐怖症)をいいます。


不安障害の発症には、遺伝的な影響もありますが、より重要なのはその人の性格要因です。 内向的、小心、過敏、完全主義的傾向などの特徴をもつ神経質な性格は、その代表的なものです。また、環境的要因も不安障害の発症にかかわりがあります。一般に不安障害の人は、内向的性格が強いです。しかし、内向的な人がすべて不安障害となるわけではありません。その内向性に加えて、向上発展欲が強く、自己内省が強い人が、不安障害になりやすいことが分かっています。 本来、不安障害の人は、努力、真剣、真面目、徹底的、粘り強さというような世の中にとって、有為な素質を持っています。にもかかわらず、その方向が極度に偏っているため、調和がとれない状態となっています。


不安障害の類型としては、次の8種類があります。

  1. 社会不安障害(恐怖症)

  2. パニック障害・全般性不安障害(不安神経症)

  3. 強迫性障害(強迫神経症)

  4. 気分変調症(抑うつ神経症)

  5. 解離性障害(ヒステリー性神経症)

  6. 心気症(ヒポコンドリー)

  7. 離人性障害(離人神経症)

  8. 気分障害(躁うつ病)



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