頚肩腕症候群

頸肩腕症候群(cervico-omo-brachial syndrome)とは、首から肩・腕・指先にかけての痛み・こり・しびれといった原因がはっきりしない感覚異常のさまざまな症状の総称です。変形性頚椎症、頚椎椎間板ヘルニア、胸郭出口症候群などの整形外科的疾患を鑑別しなければなりません。その上で、病因を特定できない場合に頚肩腕症候群と診断します。パソコン操作などの長時間デスクワークなどで同じ姿勢を続ける、繰り返し行う作業で同じ行動を続ける、緊張をともなう動作、机や椅子が体に合わない、運動不足など、姿勢・動作・環境が原因となり発症するといわれています。

若年層から発症し、男女比は女性に多いといわれています。職業によって発症した場合には頚肩腕障害と呼ばれます。上肢障害として一定の基準を満たすと労災認定されることがあります。上肢の長時間にわたる同一肢位の継続、反復によって、精神、筋の疲労を背景として発症し、頚椎から肩甲帯に及ぶ筋肉(僧帽筋、胸鎖乳突筋)の疼痛、肩、肩甲骨周囲、腕にかけての痛みやしびれなど頚部、肩、腕、背中を中心としたいわゆる頚肩腕部分の感覚障害が中心となります。眼痛、眼精疲労、頭痛、めまい、耳鳴などの症状の他、集中力低下、思考減退、易疲労感、情緒不安定、抑うつ症状、睡眠障害などの精神症状、四肢冷感など末梢循環障害、胃腸障害などを合併することもあります。


診断は除外診断を行います。主な鑑別疾患は頸椎症、頸部椎間板ヘルニア、胸郭出口症候群、後縦靭帯骨化症、手根管症候群、肘部管症候群、頸椎捻挫、五十肩、肩関節周囲炎、腱鞘炎、感染性脊椎炎、脊椎腫瘍、心因性疼痛などです。診断を行う際、必要に応じて画像検査(X線検査、MRI検査)や電気生理学的検査(神経伝導速度検査、筋電図検査)、心理検査などを行うことがあります。


頚肩腕症候群の治療は対症療法が中心です。急性期の疼痛に対して、炎症の持続による慢性痛への移行を極力予防するため非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を使うことがあります。薬物療法よりも、就労や日常生活の改善(睡眠時間や休息時間の確保)、仕事や日常生活上の指導(僧帽筋や肩甲骨周囲筋にストレスが持続するような作業や姿勢異常への対応)、頸肩腕部の運動・理学療法(頸部、肩甲上部、上肢筋のリラックス効果・血液循環回復を目的としたストレッチ体操や保温、牽引や軽い筋力強化)、運動療法(水泳などの主に上肢を使うスポーツ活動)などの生活指導や運動・リハビリテーションが優先されます。しかし、疼痛のため運動が困難な場合は、ブロック注射などの疼痛処置を併用します。


頚肩腕症候群と診断確定されているのであれば、生命保険、医療保険とがん保険とも無条件加入は可能と思います。