成人市中肺炎の重症度

一般人が思っている肺炎の重症度と臨床医が判断してる重症度との間に開きのあることがメディアでよく取り上げられています。これは市中肺炎の重症度を判断する指標が異なるからです。


肺炎とは、肺実質の急性感染症です。すなわち、ウイルスや細菌など何らかの病原微生物が肺に侵入して、急性炎症を来たした状態です。急性炎症を来たした証拠(evidence)として、発熱呼吸困難胸痛などの臨床症状を呈することが多いです。血液検査では、末梢血白血球増加、CRP陽性、赤沈亢進などの検査所見を呈 し、肺に炎症の場がある証拠として胸部X線写真上異常陰影を呈します。



さて、日本呼吸器学会編「成人市中肺炎診療ガイドライン」によると、身体所見と年齢による重症度分類(A-DROP)が行われています。下記に示した5つの指標を用いて肺炎の重症度を分類することになります。

1.年齢が、男性70歳以上、女性75歳以上 2.BUN 21mg/dL以上または脱水あり 3.SpO2 90%以下(PaO2 60Torr以下) 4.意識障害(JCSで評価) 5.血圧(収縮期)90mmHg以下

  注)JCSは、Japan Coma Scaleのこと

軽症は、上記の5つの項目のいずれも該当しないもの。 中等症は、上記項目の1つまたは2つを有するもの。 重症は、上記項目の3つを有するもの。 超重症は、上記項目の4つまたは5つを有するもの、ただしショック症状があれば1項目でも超重症とする。

一般に軽症以外は入院治療が考慮されます。したがって「4日間の自宅待機」という厚生労働省の指示となっているわけですが、今回の新型コロナウイルス感染症については、これが妥当であったかどうかの検証が必要でしょう。家庭内感染リスクもあるのですから、軽症者も早期に隔離する必要があったと思います。まして電話の繋がらない「保健所へ電話相談してください」という指示もナンセンスです。新型コロナウイルス感染症では、軽症者でも急激に重症化することがある点を無視した対応と言えます。というのもサイトカインストーム(cytokine storm)つまり免疫の暴走が起こることが知られているからです。


特に高齢者では肺炎の症状が軽微や潜在性であったりするため、疑わしい場合には早期に胸部画像検査または胸部CT検査を実施することが良いとされています。臨床症状として、発熱、呼吸数増加、頻脈などを見のがさないことも重要です。さらに、食欲減退、不活発、会話の欠如が現れた場合には肺炎を疑います。すなわち診察をしないと診断ができないのではないでしょうか。PCR検査をしないと新型コロナウイルス感染症の確定診断もできません。


最後に、肺炎(pneumonia)を解説したYoutubeを紹介します。肺炎は、ウイルスや細菌の感染により起こりますが、次の2種類の肺炎を区別する必要があります。というのも起炎菌が異なるからです。


1.市中肺炎(community-acquired pneumonia; CAP)

医療機関との接触がない場合に発症する肺炎で、主に肺炎球菌が原因です。続いて、マイコプラズマ、クラミジア、インフルエンザ桿菌があります。


2.院内肺炎(hospital-acquired pneumonia; HAP)

入院後48時間以降に新たに発症した肺炎を指します。そのうち人工呼吸器が装着されているものを人工呼吸器関連肺炎(ventilator-associated pneumonia; VAP)と呼びます。これは重症肺炎です。


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