大動脈瘤の手術

胸部解離性大動脈瘤に対する人工血管置換術の既往のある高齢者が、海外旅行中に血を吐いて倒れるという保険事故がありました。抗凝固療法中であったことから、大動脈食道瘻が形成されいたようです。もちろん海外旅行保険は、合併症であり責任開始期前発病と判断されました。


一般に5cmを超える大動脈瘤に対する手術は人工血管置換術です。近年、大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術が行われるようになりました。



過日、この手術の第一人者である循環器外科の先生お会いしました。将来の血管の治療は、開胸や開腹をしなくても済むようになりそうですね。


これもコンピューターによる画像診断技術が進歩したからです。術前画像診断に基づく大動脈ステントグラフトの適応判断と機器の選択が、従来の外科手術以上に重要な意味を持ちます。


MD-CT検査を始めとする最新の画像診断機器を活用して大動脈瘤患者の血管形態と壁性状を詳細に把握し、使用するステントグラフトの構造と留置形式の特徴を理解したうえで、当該患者に最適なステントグラフト内挿術を実施します。すなわちオートクチュールの血管グラフトが製作できるようになったわけです。 


大動脈ステントグラフト内挿術では、平均3~5日の入院で済み、人工血管置換術よりも合併症率が低く5%といわれています。