医学豆知識メルマガVol.202 子宮頸管無力症

子宮頸管無力症とは、陣痛や性器出血の様な症状がないにもかかわらず、急に子宮頸管(子宮の入口である内子宮口から膣につながる外子宮口までの部分)が開いてきてしまう状態で(日本産婦人科学会)、妊娠16週以降に起きる習慣流産の原因のひとつと考えられています。 日本での発生頻度は0.05~1%(100~200人に1人)程度といわれていますが、流産・早産の原因としては約20%を占め高い率となっています。妊娠20~22週前後に無症状に発症することが多いようです。子宮頸管は一般的には3.5cm~4.5cmですが、平均より短い場合には胎児を保持する頸管の力が弱くなり、子宮頸管無力症になってしまいます。原因はよくわかっていませんが、構造的異常としては、筋線維やコラーゲンの脆弱、もともと子宮頸管が短い、あるいは子宮奇形があるといった先天的要因の他に、円錐切除術後や子宮内容除去術をする時の子宮頸管を広げる処置で宮頸管が短くなったり、周辺組織が弱くなったりすることがリスク要因となります。また、多胎妊娠や羊水過多の場合には、重みに耐えられなくなり頸管無力症になることがあります。



症状

妊娠初期の段階では特に自覚症状はありませんが、妊娠中期になると胎児も大きく成長し、多くは定期健診により偶然発見されます。医学的な定義では無症状となっていますが、実際にはおりものの増加や、下腹部の違和感を覚えることがあります。また、羊膜は非常にもろく、膣の方に下がってきて、細菌による感染等で破水が生じたり、子宮が強い収縮を起こしやすくなったりします。



診断・重症度

問診による過去の妊娠時の情報や内診による内子宮口の開き具合で診断します。また、妊娠16~20週時に経腟超音波検査により、子宮頸管の長さを測定しますが、他に原因があったり、定まった診断基準がないので正確な診断は困難な場合があります。重症度は、経腟超音波による頸管の観察では、病態の進行につれて、頸管内腔の形がT字型⇒Y字型⇒V字型⇒U字型へと変化し、頸管長も次第に短縮します。


治療

経過観察とすることもありますが、切迫流産や早産を防ぎ、妊娠を継続する目的で子宮頸管を縫縮する手術を行います。内子宮口の高さで閉じるシロッカー法と外子宮口の位置で閉じるマクドナルド法があります。シロッカー法は子宮に近い位置で縫合するため、膀胱損傷等の手術合併症に注意が必要ですが、高い効果が期待できる手術です。一方マクドナルド法は抜糸後にそのまま分娩に移ることが容易であり、手術のリスクもやや低いのが特徴です。


引受査定のポイント

現症については死亡保険は引受可として問題ありませんが、医療保険は、妊娠時の部位不担保(1年)等の条件付での引受となるでしょう。既往症は死亡保険も医療保険も標準体で引受可として問題ないでしょう。ただし、円錐切除後は妊娠可能年齢まで部位不担保等の条件をつけた方がよいかもしれません。

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