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パーソナリティ障害

米国の精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM-5)によると、パーソナリティ障害(人格障害)とは、その人の属する文化から期待されるものから著しく偏った、内的体験および行動の持続的様式と定義されています。「属する文化から期待されるもの」ということから、日本人と欧米人では、当然に属している文化が異なるものと考えられ、期待されるものも異なります。つまり同じ社会的状況下にあったとしても、文化が異なれば期待される反応も違うわけで、それが言動に現れます。たとえ同じ文化に属していても、おそらく生活環境が異なる地域差もあるのではないでしょうか。したがってパーソナリティ障害は、個性と見なされるものから精神病に近い反応を呈するものまで、一連の人格スペクトラム上のいずれかに位置しているとも言えます。





さらに、「著しく偏った、内的体験および行動の持続的様式」が、以下の領域の2つ(またはそれ以上)の領域に現れた場合にパーソナリティ障害と判断されます。

(1)認知(すなわち、自己、他者、および出来事を知覚し解釈する仕方) (2)感情(すなわち、情動反応の範囲、強さ、不安定性、および適切さ) (3)対人関係機能 (4)衝動の制御


しかも、その持続的様式には柔軟性がなく、個人的および社会的状況の幅広い範囲に広がり、臨床的に意味のある著しい苦痛または、社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている場合にパーソナリティ障害と診断されます。翻せば、人格に歪みがあったとしても、著しい苦痛を感じてないか、機能の障害を引き起こしてなければ、パーソナリティ障害でないと判断されます。どこで線引きをするか、非常に微妙なところですね。

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