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結節性多発動脈炎

疾患概念・原因

 結節性多発動脈炎(polyarteritis nodosa; PAN)は、全身の血管炎を起こす炎症性疾患で、血管周囲の炎症により結節ができることから結節性動脈周囲炎(periarteritis nodosa; PN)と名づけられましたが、PANは中小動脈にのみに血管炎を起こす疾患と定義されることになりました。なお、細小動脈に血管炎を起こすものは、顕微鏡的多発血管炎(microscopic polyangiitis; MPA)と称します。




疫学・症状・経過

結節性多発動脈炎は、男性に多く男女比は3:1で、平均発症年齢は55歳くらいです。

 PANは全身諸臓器に分布する血管の血管炎のため、症状は多彩です。その症状は、炎症による全身症状と罹患臓器の炎症、および虚血、梗塞による臓器障害の症状の両者より成り立っています。

 全身症状としては、発熱、体重減少、高血圧が多くの症例で見られます。発熱は、抗生剤抵抗性で、かつ悪寒・戦慄を伴うことはまれです。体重減少は数ヶ月以内に6kg以上の減少をきたす。高血圧は、腎臓の糸球体虚血によるレニン・アンギオテンシン系の活性化により発症し、悪性高血圧の所見を呈します。

 臓器症状としては、筋肉・関節症状、皮膚症状(紫斑、潰瘍、結節性紅斑)、腎障害(急性腎不全、腎炎)、高血圧、末梢神経炎、中枢神経症状(脳梗塞、脳出血)、消化器症状(消化管出血、穿孔、梗塞)が認められます。

 

検査・診断

 結節性多発動脈炎の診断は、厚生労働省特定疾患難治性血管炎分科会による診断基準(2006年)によります。次の主要症候の2項目以上と組織所見で中・小動脈フィブリノイド壊死性血管炎の存在が証明されれば確定診断となります。その他、血管造影X線検査や造影CT検査、MRI検査などの画像検査が診断の助けとなります。


主要症候

(1)発熱(38度以上、2週以上)と体重減少(6か月以内に6キログラム以上)

(2)高血圧

(3)急速に進行する腎不全、腎梗塞

(4)脳出血、脳梗塞

(5)心筋梗塞、虚血性心疾患、心膜炎、心不全

(6)胸膜炎

(7)消化器出血、腸閉塞

(8)多発単神経炎

(9)皮下結節、皮膚潰瘍、壊疸、紫斑

(10)多関節痛(炎)、筋痛(炎)、筋力低下


治療・予後

 PANは、ステロイドと免疫抑制剤の併用による治療を行います。特に、発症後3か月以内急性期の寛解導入療法が大事です。その後、寛解維持療法を行います。

 寛解導入療法では、ステロイドパルス療法(メチルプレドニゾロン500mg~1000mg/日の点滴3日間連続)を行い、経口投与に切り替えます。ステロイド治療で改善が認められない場合は、免疫抑制剤のシクロフォスファミドを経口もしくは点滴静注にて併用します。

 寛解維持療法では、症状の悪化がないことを確認しながらプレドニゾロンを徐々に減量し、5~10mg/日の維持量とします。

 





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