医学豆知識メルマガVol. 194 不眠症


不眠症とは

睡眠の開始と持続、一定した睡眠時間帯、あるいは眠りの質に繰り返し障害が認められ、眠る時間や機会が適当であるにもかかわらず、こうした障害が繰り返し発生して、その結果何らかの昼間の弊害がもたらされる状態と定義されています(睡眠障害国際分類第2版 ICSD2より)。


不眠が続くと日中に様々な不調が出現する様になります。倦怠感、意欲低下、集中力低下、抑うつ、頭重、めまい、食欲不振等、症状は多岐にわたります。


男女1万人による2018年の調査では、49.3%の人が不眠症の疑いありという結果になりました。年齢分布としては、平成20年国民健康・栄養調査では、睡眠のために薬を使用している人は、全年齢平均は5.9%で、15歳~59歳は1.8%~4%弱ですが、60歳~70歳では6.0%と上昇し、70歳以上では13.2%と加齢に伴い睡眠剤の服用割合が増えています。




原因

  1. ストレスと緊張は眠りを妨げる原因となります。神経質で真面目な性格の人は不眠症になりやすいと言われています。

  2. からだの病気としては、高血圧や心臓病、呼吸器疾患、腎臓病、前立腺肥大、糖尿病、関節リウマチ、アレルギー疾患、脳梗塞・脳出血等様々な疾患が不眠の原因となります。また、睡眠時無呼吸症候群やムズムズ脚症候群も不眠の原因となります。

  3. こころの病気としては、うつ病が増加しています。早期覚醒と日内変動(朝は無気力で夕方にかけて元気が出てくる)の両方が見られる場合には専門医への受診が必要です。

  4. 薬物としては、降圧剤、甲状腺製剤、抗がん剤等があり、抗ヒスタミン剤は日中に眠気が出ます。コーヒー・紅茶に含まれるカフェイン、たばこに含まれるニコチンは覚醒作用があり安眠を妨げます。また、カフェインは利尿作用もあり、トイレ覚醒も増えます。

  5. 交代制勤務や時差によって体内リズムが乱れると不眠の原因となります。

  6. 環境としては、騒音や光が気になって眠れない事や、寝室の温度や湿度が適切でないと、不眠の原因となります。


診断

不眠症の一般的な診断方法は、睡眠障害国際分類第2版が使われ、これは下記A、B、Cの3項目を満たした場合が不眠症の診断基準となっています。


A.不眠の訴えがある。(入眠障害、中途覚醒、早期覚醒、熟眠障害が続く等)

B.外的要因の除外として、眠る環境や機会が適切であるのにAの症状がある

C.日中の障害として、疲労、倦怠感や集中力、記憶力の低下、日中の眠気、やる気の低

  下、気力、自発性の減退等9項目中少なくとも1つ該当する。


治療

不眠症治療のガイドラインでは、質的にも量的にも十分な睡眠を確保して、翌日の健全な精神的・身体的活動をもたらすことが重要で、そのためには、十分な睡眠衛生指導、非薬物療法(認知行動療法など)と適切な薬物療法が重要とされています。精神疾患が原因の場合には、精神科的治療(薬物・精神療法)が必要となります。


予後

1998年~2010年にかけて、ある生命保険会社に加入した契約の統計で不眠症に該当する4590件を対象とした統計では 15歳~39歳での死亡指数は263(2.63倍死亡しやすい)、40歳~59歳の死亡指数 101(同年齢と変わらない)、60歳以上の死亡指数 37(同年齢より死亡少ない)、全年齢の死亡指数 80(標準より死亡少ない)となっており、若年者はうつ病等による精神疾患での自殺等のリスクのため高くなっていますが、その他の年齢では、通常かそれ以下の死亡リスクとなっており、全体としては予後は良好といえます。


しかし、精神疾患と不眠症の関係については、Fordらは、【精神疾患を伴わない不眠症患者で、その不眠が1年間のうちに改善しなかった場合には、大うつ病発症のリスクが約40倍に達する】(JAMA、262:1479-1484:1989)と述べているように、不眠症が一定期間後改善しない場合、その後精神疾患を発症するリスクは高いと言えます。


引受査定のポイント(服用理由や、投薬開始からの期間)

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現症については、医師や看護師、消防や警備等の夜間の交代勤務時等、服用の理由が判明している場合や、高齢、更年期等の理由、精神科以外の病院で、他の慢性疾患と一緒に睡眠薬を処方されている場合などは、お引受けして問題ないと思われます。それ以外は、数年間は死亡保険系は保険金削減などの条件付、医療保険は延期を考慮した方がよいと思われます。既往症については、いずれも引受可で問題ないと思われます。


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