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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 92◆◇ 2013.9.10

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失神
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失神とは、『一過性の意識消失の結果、姿勢が保持できなくなり、かつ自然にまた完全に意識の回復が見られること』と失神の診断・治療ガイドライン2012年改訂版では定義されています。意識障害をきたす病態の中でも、速やかな発症、一過性、かつ自然に回復という特徴を持つ、1つの症候群ということができます。 定義通り、一過性の意識消失が主な症状ですが、浮動感、悪心、発汗、視力障害などの前駆症状を伴うこともあれば、伴わないこともあります。日本における失神の発生率は不明ですが、Framingham研究から計算すると、年間79万人程度が失神を起こす可能性があるといわれており、発生率は年齢とともに増加し、特に70歳以上では男女ともに著名な増加を認めるようです。

原因
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Framingham研究における原因別頻度としては、
1,非心原性30%(血管迷走神経性21%、起立性低血圧9%)
2,心原性10%(徐脈性や頻脈性の不整脈、虚血性心疾患、肥大型心筋症、大動脈弁狭窄症など。)
3,原因不明37%

診断
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まず、生じた時の状況や、発生頻度等の問診が重要で、ここで、ある程度のリスク評価をします。朝礼や、採血時、人ごみの中等で、自律神経の関与が発症に関わっている血管迷走神経性失神を疑った場合、診断と治療効果判定のためチルト試験を行います。起立性低血圧の診断は、起立3分以内に収縮期血圧が20mmHg以上低下か拡張期血圧が10mmHg以 上低下、または、収縮期血圧が90mmHg以下に低下すれば診断されます。原因としては、薬剤に起因するものが多いようです。心原性か非心原性かを区別するためには、24時間ホルター心電図や、植込み型の小型心電計(植込み型ループレコーダー)が使用されることもあります。この他、弁膜症や、虚血性心疾患の評価のために、心エコーや冠動脈造影が行われることもあります。

治療
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血管迷走神経性失神の場合には、脱水や長時間の立位、アルコール多飲を避け、めまい、悪心、眼前暗黒感などの前駆症状が出現したら、すぐ臥位をとるなどの生活指導や、憎悪因子の是正が重要ですが、頻回に繰り返す場合には、β遮断薬などの薬物療法が行われることもあります。心原性の場合は、ペースメーカ等その疾患に応じた治療法が重要です。

鑑別診断
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1.脳全体の虚血を伴わないものとして、てんかん、代謝性疾患(糖尿 病等)、中毒、椎骨脳低動脈系のTIAなどがあります。
2.意識消失を伴わないものとして、脱力発作、転倒発作、機能性 (心因性)、頚動脈系のTIAなどがあります。

予後
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心原性失神の予後は悪いです。血管迷走神経性失神等の神経調節性失神は、交通事故や外傷などの事故になる可能性はありますが、生命予後は良好なので標準体での引受も考慮されます。

査定のポイント(原因によります)
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原因が判明した場合は、その原因による評価を加算します(血管迷走神経性失神と判明すれば標準体も考慮)。原因不明な場合は、詳細情報を入手するか、てんかんの基準を準用し、保険金額に制限をかけるなどの条件を考慮したほうがいいかもしれません。死亡保険は保険料割増+保険金削減での引受を、医療保険は延期としたほうがよいでしょう。

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