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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 82◆◇ 2013.03.27

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神経性食欲不振症
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主に10~20代の女性において、多くはその年代に特有の心理的ストレスに対処でき
ないことを契機に、やせ願望や肥満恐怖に基づく食行動の異常のためにやせをきたす
難治性疾患で、厚生労働省が指定した130ある特定疾患の1つです。有病率は10代
後半から20代の女性において0.2%~0.5%前後で、男女比は約1:20で90%以
上が女性です。好発年齢は10~15歳の前思春期例が増加していて、近年低年齢化
が認められます。

原因
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遺伝的素因、体質や性格、心理的・社会的・文化的要因の絡み合いが考えられてい
ます。極端なダイエットが誘因となっている場合が多いのですが、心理的ストレスや
胃腸炎などが原因で体重が減少し発症する人もいます。(日本小児心身医学会より)

診断基準(厚生労働省研究班)
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1、標準体重の-20%以上のやせ
2、食行動の異常(不食、大食、隠れ食いなど)
3、体重や体型についての歪んだ認識
4、発症年齢 30歳以下
5、無月経(女性の場合)
6、やせの原因と考えられる器質性疾患がない

症状・検査値
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無月経や活動性の上昇、過食後の嘔吐(手指に吐きダコ)、易興奮性、睡眠障害、抑
うつ症状、無関心などの症状が認められます。身体的所見としては、低血圧、低体温、
徐脈、便秘、腹痛、貧血、骨粗髭症、甲状腺機能低下症、検査所見としては電解質異
常(低ナトリウム、低カリウム)低血糖、肝機能障害も合併症として認められます。
重症化した場合、体力や筋力の低下で転倒し骨折や下肢の神経麻痺、褥瘡が出来る
こともあります。

鑑別疾患
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脳腫瘍や下垂体機能低下症などの器質的疾患の鑑別は容易ですが、うつ病や統合
失調症の部分症状との鑑別は難しいこともあります。その他の体重減少となる消化器
系や内分泌系疾患との鑑別は重要です。

入院適応
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2007年に厚生労働省はガイドラインを作成し、「1.全身衰弱」「2.重篤な合併症(
低血糖性昏睡、感染症、腎不全、不整脈、心不全、電解質異常)」「3.標準体重の55%
以下のやせ」の場合には内科的な緊急入院の適応としました。

治療
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ストレスに適切に対処する能力を養い、やせや過食にならないようにすることが重要で、
支持的精神療法に加えて、行動療法、家族療法、対人関係療法なども行われます。
栄養療法としては、高カロリー流動食、経管栄養法、経静脈栄養法も行われます。
薬物療法は、便秘や低カリウムの補正、不安や抑うつなどの精神症状に対して補助的
に行われます。厚生労働省は、2007年のガイドラインに続き、専門医に比べ、患者数
が増加したために2010年にはコンサルテーションできる専門施設一覧を連載しました。
このように、プライマリケアー後は、精神科、心療内科、内科の連携が重要となってきます。

予後
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本症の死亡率は6~20%で他の神経疾患より高く、主な死因は内科的合併症、飢餓、
自殺です。摂食障害・治療法ガイドラインによると、51%が良好、21%が中等度、
26%が不良でこの中には、死亡も含まれます。追跡調査では、2年までの完全回復は
0%、5年後までの完全回復は37%、部分回復は70%、11年後の完全回復は77%、
部分回復は87%と言うことです。
転帰については、軽度で一過性のものもあれば重篤で長期的なものもあります。
厚生労働省のホームページでは、初診から4年~10年経過した患者さんの47%が
全快、10%が部分回復、36%が慢性化、7%が死亡と記載されています。

引受査定のポイント
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現症はすべて延期です。
既往症については、病期が短く、年齢が20歳以下であったらなら一過性と考え引受も
考慮できますが、それ以外は、経過年数に応じて死亡保険は削減等の条件付きでの
引受~標準体での引受も考慮できるでしょう。
保険金額は低くし、自殺企図のあった場合は引受延期とした方がいいでしょう。

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ご意見・ご質問はinfo@hokensatei.comまでお寄せください。

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