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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 77◆◇ 2012.12.25

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デング熱
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デング熱はデングウイルスが蚊によって媒介される感染症で、マラリアと同様にただちに
届け出が必要な4類の感染症です。日本国内での流行はありませんが、海外で感染して
発症する輸入感染症としては毎年報告されています。

原因
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主にヤブカ、なかでもネッタイシマカによって媒介されます。熱帯の都市環境に良く適応し、
人の生活圏内で繁殖します。その他にも海外では血液製剤や臓器移植でも媒介されると
いう報告もあります。潜伏期間は3日~14日なので、海外の流行地域から帰国後2週間
以内に生じた発熱は、デング熱の可能性も考えられます。デングウイルスには4つのウイ
ルス血清型があり、はじめて感染するとその血清型については終生免疫となりますが、別
の血清型に対する防御は短期間にとどまるので、2回目に感染した時に重症化しやすい
と言われています。

症状
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デングウイルスに感染しても8割は無症状と言われています。それ以外でも一過性の発熱
症状で終わる人が多いですが、5%の人は重症化し、さらにその一部では生命を脅かすこ
とがあります。症状としては、突然の発熱に続いて頭痛、筋肉痛や関節痛が生じます。
紅斑や発疹が生じたり、毛細血管の破綻が原因で点状出血が生じます。発熱自体は数日で
一旦下がってまた上がるような二相性を示すことがありますが、高熱から回復した後にまれ
に重症化する場合があります。この時は毛細血管の透過性が増し胸水や腹水が貯留したり、
出血のため循環性ショックが生じることがあります。このようなデングショック症候群やデング
出血熱が生じる症例は初回5%未満ですが、2回目の場合はそのリスクがさらに増えます。
その他の合併症としては、意識レベルの低下、脊髄炎やギランバレー症候群、心筋炎、急性
肝不全などが稀に生じます。

疫学
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全世界では年間約1億人がデング熱を発症し、25万人がデング出血熱を発症すると言わ
れていました(2004年感染症情報センター)。この頃は日本も50例以下でしたが、最近は
100例前後で、2010年には245例、今年2012年は11月25日の47週時点で202例の
報告(マラリヤは70例)があり旅行形態の多様化に伴い、東南アジアへの旅行者も増えた
結果近年増加傾向にあります(外務省ホームページ)。

検査
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問診でデング熱を疑い、視診では胸部や顔面の点状出血や紫斑、粘膜からの出血等に
注意します。血液検査では白血球と血小板は減少し、相対的にヘマトクリット値は増加し
ます。血清タンパクの低下が高頻度で認められます。デングウイルス抗原や抗体価の測
定はよく行われますが、培養によるデングウイルスの分離やPCRによる核酸検出は費用
がかかるので行わないこともあります。胸水、腹水は、エコーで容易に確認できます。
血便の存在も重要です。

鑑別疾患
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チクングニア熱は熱帯地域のウイルス感染症で鑑別が難しい疾患です。その他マラリア、
レプトスピラ症、腸チフス、細菌性髄膜炎などが鑑別疾患としてあげられています。

治療
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特別な治療法はなく、補液などの対症療法が中心となります が、発熱や疼痛に対してアス
ピリンは出血傾向を増長するので禁物です。多くは数週間以内に自然治癒します。また、
マラリアの様に有効な予防薬はなく、ワクチンによる予防接種も研究段階です。
重症化した場合には、ショックの治療に準じます。

予後
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大部分は予後良好ですが、2回目の感染時に、重症化した場合の死亡率は26%にも
及ぶという文献もあります。

引受査定のポイント(2回目は重症化しやすいです。)
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現在症状がある場合は、一旦延期です。既往症については、基本的に標準体での引受が
可能ですが、2回目の感染時や、初回でも合併症や後遺症があれば条件付きでの引受を
考慮したほうがよいでしょう。

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