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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 66◆◇ 2012.06.14

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ギランバレー症候群
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神経は電気コードのような構造をしており、軸索(じくさく)の周りを髄鞘(ず
いしょう)が取り囲んでいます。何らかの原因で神経に炎症が生じ髄鞘が破壊さ
れることを脱髄(だつずい)といいます。
末梢神経系の脱髄疾患の代表がギランバレー症候群で、難病の1つに指定されて
います(ちなみに中枢神経系の脱髄疾患の代表は多発性硬化症です)。
年間の発症率は10万人に1人前後といわれており、年齢的には50歳~70歳で
女性の方がやや多いともいわれています。

原因
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発症の前に風邪や胃腸炎などの先行感染が多く認められ、この感染を引き金と
して髄鞘抗原に対する自己抗体が作られることが原因の自己免疫性疾患と考えら
れています。その他に各種ワクチンや全身性疾患として悪性腫瘍、ホジキンリ
ンパ腫、SLEなどが原因となることがあります。インターフェロンやペニシラ
ミン、ニューキノロン系の抗菌剤が原因で発症することもあります。

症状
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神経症状が生じる1~3週間前に、呼吸器系や消化器系の先行感染が認められ
ます。特に、カンピロバクターによる急性胃腸炎や発疹ウイルス、サイトメガ
ロウイルス、EBウイルス、マイコプラズマなどの先行感染が多いです。
その後、神経症状としては、まず下肢の筋力低下から始まり、次第に体幹、上
肢、脳神経領域と上方に広がっていきます。脳神経では顔面神経や外眼筋が障害
されやすく、呼吸筋の麻痺を生じる場合は重症で、人工呼吸器が必要になること
もあります。しびれや痛みなどの感覚障害もありますが、運動障害に比べると軽
いです。
自律神経系の障害としては、頻脈、除脈、高血圧、低血圧、発汗の減少や増加
などがあります。発症後数週間は進行しますが、その後進行は停止し数か月で
回復し、多くは1年以内に完治します。

診断・検査
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1.髄液検査は診断を確定する上で重要で、細胞数はあまり増えませんが、
 神経根の炎症のため、タンパクは次第に増加し、数週間でピークに達します。
(蛋白細胞解離)

2.神経伝達速度は脱髄のため伝導ブロックや速度が遅延します。
 同時に軸索障害の有無も判定でき予後の推測に役立ちます。

3.筋電図検査では脱神経電位や筋活動電位の低下が認められることがあります。

4.血液検 査では急性期に抗ガングリオシド抗体が認められ、回復期には
 低下・消失します。

重症度の指標としては、正常のGrade0から死亡のGrade6まで7段階の運動機能
尺度が使用されます。

鑑別疾患としては、慢性炎症性脱髄性多発神経根ニューロパチー(CIDP)、
ビタミンB1欠乏性神経炎、血管炎性神経炎、中毒性神経炎、多発性硬化症
(MS)、脊髄性疾患、周期性四肢麻痺、Fisher症候群、筋委縮性側索性硬化症
(ALS)などがあります。

治療と予後
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以前は治療しなくても自然に軽快する予後のよい疾患と考えられていましたが、
一部は重症化し後遺症も残るので早期に治療をします。治療法としては、血液中
の有害物質を除去する血漿交換療法や、免疫力を強化するための免疫グロブリン
大量静注療法や、ステロイドの経口やパルス療法などがあります。

単相性の経過で、数週以内にピークを迎え、半年~1年以内には寛解します。
しかし、後遺症が残ることもあり、平成12年度の厚生労働省の調査では、症状
固定時に独歩不能は約10%、死亡例は1%未満と、大部分は脱髄型の生命予
後が良好な型ですが、日本に多いとされる脱髄と軸索の両方が障害される混合
型や軸索型では重症化しやすいといわれています。

査定のポイント(基礎疾患と後遺症の有無)
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現在症状がある場合は、死亡保険も医療保険も一旦延期とした方がよいでしょ
う。既往症については、原因となる基礎疾患がなく、後遺症もない場合には
経過年数により死亡保険は削減~引受可で、医療は延期~引受可を
考慮できる場合もあるでしょう。

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ご意見・ご質問はinfo@hokensatei.comまでお寄せください。

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