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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 63◆◇ 2012.04.24

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脳膿瘍
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脳膿瘍は、まず何らかの原因で脳実質内に細菌感染が生じ、化膿性の炎症が生じ
ます。膿がたまって中心部は壊死します。その後周囲に被膜が形成されると、
大きさに応じて周囲を圧迫、占拠し種々の症状が発生します。
初発症状としては、発熱、頭痛、嘔吐、意識障害などの頭蓋内圧亢進症状が多
く、膿瘍の被膜化が進行し大きくなると、痙攣、運動麻痺、感覚障害などの脳局
所症状が認められます。小脳に膿瘍が生じれば、めまいや眼振、運動失調、後頭
部の疼痛等が生じます。

原因
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細菌としては黄色ブドウ球菌や連鎖球菌、緑膿菌などの化膿性細菌などが多いの
ですが、免疫機能が低下した人などでは、アスペルギルスなどの真菌、結核、ト
キソプラズマなどの原虫も原因になります。
感染経路としては、中耳炎や副鼻腔炎、扁桃腺炎、歯槽膿漏などからの波及、気
管支炎、肺化膿症や心内膜炎などからの血行感染、頭部外傷や脳外科手術からの
直接感染などがあります。全く原因が分らない場合もあります。

診断・検査
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頭部CTは脳膿瘍の確定診断に有用で、大きさや、部位を正確に判定できます。
造影剤によって、被膜がリング状に増強されるのが最も特徴的な所見(ring
enhancement)です。
また、中耳炎や副鼻腔炎など感染巣の有無も確認できます。
その他MRIや、CTガイド下に脳組織の生検を行うこともあり、これによって
脳腫瘍との鑑別や、起炎菌の培養も行い、感受性のある抗生剤に変えるのに有用
です。血液検査では炎症所見が認められます。髄液検査では、圧上昇、細胞数増
加、蛋白上昇が認められます。鑑別診断としては、転移性脳腫瘍や、原発性脳腫
瘍、脳炎、髄膜炎、脳血管疾患などの意識障害や、局所症状をきたす疾患があり
ます。

治療
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抗生剤投与と外科的治療が基本です。近年は、抗生剤の発達と、外科的手術の
進歩で予後はよくなっていますが、早期に適切な治療をしなかったり、高齢者、
多発性のもの、髄膜炎や静脈洞炎を合併している場合の予後は不良で、重篤な
後遺症や合併症が残ったり、最悪の場合は死亡する危険性もあります。
対症療法としては、脳浮腫に対してはステロイド、頭蓋内圧亢進に対してはマニ
トールなどの脳圧降下剤、痙攣に対しては、抗痙攣剤が使用されます。抗生剤
は、最初は起炎菌が不明なので、ペニシリン、メトロニダゾール、広域のセファ
ロスポリン系抗生剤等の多剤を使用し、起炎菌が判明したら感受性のあるものに
変更し4~6週間は投与します。その後、CTやMRIなどで膿瘍の縮小を確認
しますが、小さくなっていない場合には、外科的治療として、CTやMRIガイ
ド下に穿刺吸引および、持続的排膿ドレナージを行います。開頭し、被膜を含め
膿瘍を全摘出することもありますが少ないようです。

引受査定のポイント
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合併症・後遺症に術後てんかん、運動麻痺(片麻痺等)などがあるため、合併症
や後遺症がないか確認が必要です。
現在症状がある場合は、死亡保険も医療保険もも引受は延期とした方がよいで
しょう。治療が終了した例については、後遺症や合併症がない場合は経過年数に
より、死亡保険は割増~標準体での引受、医療は延期~標準体での引受が考慮で
きるでしょう。

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ご意見・ご質問はinfo@hokensatei.comまでお寄せください。

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