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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 54◆◇ 2011.10.18

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未破裂脳動脈瘤 -みはれつどうみゃくりゅう-
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血管にできる動脈瘤ですが、このうち破裂していないものを「未破裂動脈瘤」
といいます。脳にできた動脈瘤が破裂した場合には、クモ膜下出血をおこし
ます。大きさは2mm程度から25mm以上までありますが、大部分は1cm未満であり
実際にクモ膜下出血を起こした脳動脈瘤の大きさの平均は7~8mmという報告が
あります。

日本の人口の約5%程度に見つかりますが、たいていは無症状で脳ドックなどで
初めて発見される場合がほとんどです。2010年のSUAVe研究では、5mm未満の
未破裂動脈瘤の破裂率は約0.5%であり比較的低いこと、また多発性、高血圧、
若い人は拡大しやすく破裂もしやすいと報告されました。
日本脳神経外科学会が行った調査では年間破裂率は1%弱であると中間報告
されています。

原因
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はっきりとした原因は不明ですが、家族性といった先天的な要因や、高血圧・
喫煙・動脈硬化・加齢等の後天的な要因により、動脈壁に脆弱性が生じて
風船のように膨らむと考えられています。動脈瘤の血管壁は中膜を欠いている
ために破裂しやすく、クモ膜下出血の最大の原因となっています。

症状
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大部分は無症状ですが、動脈瘤が大きくなって動眼神経が圧迫されれば、複視
(ものが二重にみえる)や眼瞼下垂、羞明(まぶしい)等の症状がでます。
また、視神経が圧迫された場合は視力や視野障害がおこります。
動脈瘤が破裂してクモ膜下出血をおこすと激しい頭痛や嘔吐、意識障害を
起こします。

検査と診断
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脳ドックでは造影剤を使用せずに観察できるMRAが有用な検査法です。
CT血管撮影(CTA)は静脈内に造影剤を急速注入しながらCT検査を行う
もので、正確な血管の形の変化や大きさ等手術に必要な情報が得られます。
脳血管撮影は、カテーテルを大腿の動脈から脳動脈近くまで誘導して、造影剤
を注入します。血管の形だけでなく動脈から静脈までの血液の流れも観察でき
るので有用な検査ですが、造影剤による副作用や合併症の危険性もあります。

治療
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脳ドックのガイドライン2008では、未破裂動脈瘤について余命が10~15年以上
ある場合、大きさが5~7mm以上のもの、または、小さくても症状があったり
破裂しやすい形や部位のものは、治療を検討することを推奨しています。
経過観察する場合には、高血圧や喫煙、飲酒等の危険因子にも注意しながら、
6ヶ月に1度、最低でも年1回はサイズや形の確認が必要とされています。
治療法としては、チタンやステンレス製の洗濯ハサミの様なものを動脈瘤の首の
部分にクリップし血流を止める方法で開頭術を行います。血管内手術は、大腿か
らカテーテルを動脈瘤付近まで進め動脈瘤の内部にコイルやバルーン・ステント
等をつめることにより破裂を防ぐ術式ですが、どちらの治療法も重篤な合併症が
5~10%で生じるとされています。
巨大な動脈瘤については、バイパス術が併用されることもあります。

予後
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破裂してクモ膜下出血を生じた場合、半数以上が死亡するか、生存しても
社会復帰不可能な障害を残してしまう、という死亡率の高い疾患です。

引受査定のポイント
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経過観察中の場合は、動脈瘤の大きさが小さくて、破裂の危険性が低いと考え
られても一旦は全て延期とするのがよいでしょう。
未破裂動脈瘤の手術後は、小さいもので一定期間経過後、合併症・後遺症が
ない場合、医療保険についてはは延期ですが、死亡保険については保険金削減
等の条件付きでの引受も考慮できるでしょう。

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