株式会社査定コンサルティング

生命保険査定業務・教育研修等を総合的にサポート

HOME > 未分類 > ◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 53◆◇ 2011.9.28

◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 53◆◇ 2011.9.28

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
脳脊髄液減少症
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
脳脊髄液は脳や脊髄を包み込み、クッションのような役目をしています。
1日に約500ml生産されますが、吸収もされ、1日3~4回入れ替わるので、
実際には約180ml前後の髄液が常時貯留しています。

脳脊髄液減少症は、何らかの原因で、髄液が減少し圧も減少するために
様々な症状がでる病気です。報告されはじめたのは1983年からですが、
長い間注目されず、MRIで診断されるようになってから症例が多くなり
ました。日本には現在数十万人の患者がいると推定されていますが、まだ
あまり一般的でない病気で、慢性疲労症候群との関連も指摘されています。

原因
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
髄液が減少するメカニズムには、1.産生の減少、2.過剰な髄液吸収、
3.漏出がありますが、多くは交通事故などによる鞭打ち、スポーツ事故や
外傷等により、クモ膜に裂け目ができ、序々に髄液が硬膜外に漏出することが
原因と考えられています。部位は、頚胸椎移行部が多いです。

症状
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
頭痛、はきけ、めまい、倦怠感、集中力、思考力・記憶力低下後頭部の鈍痛、
肩こりなどの様々な症状が見られます。立位や座位では症状が悪化し、
横になると軽快することが多いです。
この他にも多彩な不定愁訴が多いことが特徴です。

検査と診断
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
外傷歴や、天気が悪くなると調子が悪い等、問診で診断がつく場合が多いの
ですが、検査としては、Gd造影脳MRIで肥厚した硬膜所見、MRIでは
脳の下方偏倚や硬膜下出血が多く、硬膜下血腫(約1割)、髄液の漏出所見等
も見られます。
また、非侵襲的な検査としてはCTやMRIでのミエログラフィーが有用です
が、不確実な面もあります。確定診断としては腰椎穿刺によりRIを髄腔内に
投与する脳槽シンチグラフィーが重要で、漏出部位の特定や、髄圧の低下も
確認しますが、髄圧は正常のことも多いようです。

治療
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
髄液が減少しているので、安静にして水分等を補給することが重要です。
重症の場合は2週間程度入院して点滴を受ける場合もあります。
これでも改善しない場合や、慢性期には、漏出部位の硬膜外腔に自己の静脈血
を29~30ml注入し、血液を糊状に凝固させることで漏れを防ぐブラッドパッチ
とよばれる治療法があります。
治療後は1週間程度の安静が必要で、同一部位への再治療は3ヶ月以後が
望ましいといわれています(ガイドライン2007)。
数回しても改善しない場合には、漏出部位の閉鎖を目的とした外科的手術を
行うこともあります。髄膜憩室を認める場合には憩室の頚部の縫合や結紮も
行われます。

鑑別疾患
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
機能性頭痛、頚椎捻挫、頚椎変性疾患、中枢神経脱髄疾患
脳梗塞、頭蓋内圧亢進症、水頭症、脊髄腫瘍、胸郭出口症候群 等。

予後
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1回のブラッドパッチでは約1割程度しか改善せず、3ヶ月間隔で3~4回した
場合、3割が著明な改善、4割が部分改善で残り3割は改善なしが全国平均と
いわれています。もちろん一旦完治後も何らかの原因で再発することは
あります。合併症や後遺症にも注意します。

引受査定のポイント(診断の正確性と重症度)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
死亡保険に関しては、現症であっても確定診断されて長期に軽症と判断され
れば、延期~割増でも引受が可能な場合があります。
既往症については、重症度や経過期間により延期~削減での引受が考えられ
ます。ただし、医療保険については、現症については延期としたほうがよい
でしょう。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ご意見・ご質問はinfo@hokensatei.comまでお寄せください。

戻る