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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 28◆◇ 2010.7.28

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胞状奇胎(ほうじょうきたい)
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通常、受精卵は子宮内膜に着床すると、絨毛(じゅうもう)という細かい根の
ような組織を伸ばして母体から栄養や酸素を吸収して将来胎盤となります。
ところが、染色体異常により卵膜や絨毛部分だけが異常に増殖・嚢胞化し、
子宮内腔を絨毛組織だけで占領してしまうことがあります。
これを胞状奇胎といいます。

胎芽部分が全く発育せず、子宮腔内が絨毛の異常増殖だけで占められるものを
「全胞状奇胎」、絨毛部分が異常増殖しても胎芽部分も発育している場合を
「部分胞状奇胎」といいます。
また、子宮筋層内にまで絨毛の侵入が認められるものを侵入奇胎といいます。

診断基準
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胞状奇胎の診断は、嚢胞化絨毛すなわち短径2mm以上の嚢胞を肉眼的に
確認することです。近年超音波エコーの普及により、まずは子宮内容除去術
をしてから、病理学的に胞状奇胎と診断される症例も増えてきています。

侵入奇胎は逆に、本来は摘出した子宮の病理学的検索により診断されますが、
子宮を摘出しないケースもあり、この場合は「絨毛癌診断スコアー」を採点
します(5点以上は臨床的絨毛がん、4点以下では臨床的侵入奇胎とする)。

予後
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全妊娠の500分の1程度の割合で生じ、治療経過が良ければ大部分は予後良好
で次回の妊娠も可能ですが、まれに侵入奇胎として存続したり、絨毛がんへ進展
するものも数%程度あります。この場合は、リンパや血流を通じて急速に転移
(特に肺)することがあるので、注意が必要です。

症状
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・性器出血
・つわり(悪心、嘔吐)
・腹部のはるような感じ(急速に増大するため)
・妊娠中毒症や子癇などの重篤な合併症を引き起こすこともあります。

検査
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■内診:子宮が妊娠週数に比べて大きいです。(増殖速度が速いため)
■基礎体温:高温が長期間続く場合や不整の場合は疑いがあります
■超音波エコー:子宮腔内に胞状奇胎の小嚢胞が充満しています。
■胎児心音・胎芽:部分胞状奇胎ではまれに確認出来ることもありますが、
多くの場合は確認することができません。
■血液検査:hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピンというホルモン)値が上昇
■尿検査:hCGが10万IU以上で疑われ、50万IU以上ではほぼ確実です。
■胸部レントゲン:肺への転移の有無を見ます。
■CT検査:レントゲンと併用する事もあり、転移の有無を見ます。

治療
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■子宮内容除去術(子宮内掻爬)
 子宮内容を完全に除去します。完全に取り除くため、期間をおいて数回行い、
 その後は残存細胞が絨毛がんに移行しないか観察します。
 数ヶ月間はhCG値の観察を行い、この間hCG値が低下しない、または増加する
 場合には、侵入奇胎や絨毛がんへの進展も考えます。
 
 侵入奇胎の場合は、がんではありませんが血行性に転移を起こし易く、抗癌剤
 による化学療法が中心となります。挙児希望のない例や大量出血による緊急の
 場合は子宮を摘出することもあります。
 絨毛がんに対しては、化学療法と手術、時に放射線療法も行われます。

査定のポイント
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侵入奇胎や絨毛がんの発生や鑑別に注意します。

1.侵入奇胎や絨毛がんを発生したものは、腫瘍に準じた査定をします。
2.現在経過観察中のものや、完治後間もないものは、延期としたほうがよいでしょう。
  ただし、診断書で、hCG値を含む経過が良好なものは、死亡保険は削減等の
  特別条件、医療保険は部位不担保での引受を考慮してもよいでしょう。
3.数年経過後は標準体での引受を考慮できるでしょう。
4.治療後正常出産が確認されれば、標準体での引受も考慮してよいでしょう。

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ご意見・ご質問はinfo@hokensatei.comまでお寄せください。

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