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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 25◆◇ 2010.6.8

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胃潰瘍(いかいよう)
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胃潰瘍は、胃から分泌される胃酸(攻撃因子)と胃壁を守る粘液や粘膜血流、
胃粘膜の増殖因子など防御機構とのバランスが崩れ、胃壁に潰瘍や穴ができて
痛みが生じたり、出血したりする病気です。
十二指腸潰瘍は若年者に多いのが特徴ですが、胃潰瘍は中高年以降に多くみら
れます。また男女差では、男性に多くみられます。

分類
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潰瘍の深さによりUl-1(びらん)~Ul-4まであります。
重症度による分類としては、
活動期(A1,A2),治癒過程期(H1,H2),瘢痕期(S1,S2)があります。
出血性病変に対する分類としてはForrest分類(Ⅰ~Ⅲ)があります。

原因
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・ストレス(過労・睡眠不足・緊張など)
・ピロリ菌(胃潰瘍の9割、十二指腸潰瘍の10割近くで感染が見られます。)
・薬剤性(NSAID等)
・不規則な食生活(暴飲暴食・早食い等)
・嗜好によるもの(喫煙・飲酒・コーヒー・刺激の強いものなど)

合併症
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・出血:内視鏡的止血療法(クリッピング)により多くは止血できます。
・穿孔:胃壁に穴があく状態です。腹膜炎を起こすことが多く、緊急に手術が
 行われることが多いです。
・狭窄:繰り返すことで瘢痕化が進み、狭窄を起こします。主に十二指腸への
 出口にあたる胃の 幽門部に起きます。

検査
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■胃透視検査
 胃潰瘍の大きさや周りの粘膜・胃壁・変形の様子等が分かります。
 ※出血が疑われる時などは禁忌です。
■胃内視鏡検査
 胃壁の状態を直接観察することが可能です。出血を認めた場合は止血術、また
 悪性などが疑われる場合、そのまま組織をとって生検することもできます。
■ピロリ菌検査:胃粘膜生検、呼気試験、血液、尿
■腹部レントゲン検査
 穿孔し腹膜炎合併例等では横隔膜下に遊離ガスが認められます。

治療
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■薬物療法
 プロトンポンプ阻害剤・H2ブロッカーで胃酸分泌を抑えます。
 また、粘膜の血流を良くする目的で、胃粘膜保護剤も使われます。
■ピロリ菌除去
 抗生剤と酸分泌抑制剤を1週間内服し約8週間後に尿素呼気試験などで除菌効果を
 判定します。除菌成功率は約8割。副作用として下痢・発疹・味覚異常などがあります。
■内視鏡的治療
 出血病変の評価として前述のForrestの分類がありますが、Ⅱa(露出血管を認
 めるもの)以上は内視鏡治療の適応です。
 病変部を加熱して凝固止血します。(レーザー照射法・高周波焼灼術・ヒー
 タープローブ法・アルゴンプラズマ凝固法)、Naエピネフリン局注法(血管を収縮させて
 止血します。)、純エタノール局注法(血液を硬化させ止血します。)、
 クリップ法(血管を直接結紮し止血します。)などがあり、止血率は高いですが、
 飲食ができなくなるため、入院が必要になります。
 また、大量出血の場合は、輸血や外科手術が必要です。
■外科的治療
 大量出血や内視鏡での止血が困難な例では、緊急に胃切除術や、穿孔を起こし
 ている場合には(十二指腸潰瘍に比べて穿孔例は少ないですが)腹腔鏡的に
 穿孔部閉鎖術を行うこともあります。狭窄がひどい場合は、待機的に
 (緊急ではなく時機をみて)外科手術が行われます。
■その他
 原因となっているストレスや食事、嗜好、原因薬剤に注意し生活習慣を改善します。

予後
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重症度にもよりますが、多くは半年以内には治癒します。しかし再発率も高い
ので、治癒後の長期の維持療法も重要です。

引受査定のポイント
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死亡保険は保険金削減等の条件付き~標準体での引受、
医療保険は、延期~部位不担保での引受となるでしょう。
ただし、再発を繰り返している場合はワンランク程度、評価を厳しくすることも必要でしょう。
開腹手術等で悪性が疑われる場合には、診断書取り寄せも考慮します。
ピロリ菌の除菌のみで完治したものは標準体での引受も考慮します。

一昔前までは、胃潰瘍で開腹手術による胃切除術などが行われていましたが、
現在の日本では手術摘要の場合でも内視鏡による手術が殆どで、開腹手術とな
るのは胃穿孔や大量出血などの場合に限られます。
近頃は早期胃がんについても、日帰り・内視鏡の手術で済むようになったた
め、引受査定においては鑑別が重要なカギとなります。
術後の経過についての詳細告知に注意が必要です。

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