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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 187◆◇ 2018.07.09

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GIST
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GISTとはGastrointestinal stromal tumorの略で、消化管間質腫瘍とも言
われます。胃や腸などの消化管の内側は、粘膜に覆われており、その下に粘膜
筋板、粘膜下層、固有筋層、漿膜下層、漿膜がありますが、筋肉層である固有
筋層にあるカハール介在細胞の前駆細胞が異常に増殖し腫瘍化した疾患です。

病理・部位
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GISTの起源となるカハール介在細胞は消化管運動のペースメーカー細胞と
して機能し、細胞膜を貫通するKIT蛋白という表面抗原を有しており、c-kit
遺伝子によりコードされ受容体型チロシンキナーゼとして機能しますが、c-kit
に変異があって過剰発現しているもの、あるいはKIT蛋白は証明できないが、
平滑筋や神経鞘への分化も証明できず、かつCD34等の特異抗原が認められ
るもの等がGISTと定義されています。部位としては胃が約60%、小腸約
30%、大腸と食道は合わせて約10%程度と稀です。発症率も人口10万人
に1~2人と稀で、50~60代に多いと言われます。

症状
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自覚症状は少なく、吐き気や下血や貧血、腹痛、大きくなれば、腹部の腫瘤と
して発見されることもありますが、小さいうちは症状が出にくく、胃の内視鏡
で粘膜下腫瘍として長期に経過観察されている場合以外は発見が遅れがちです。

検査・鑑別
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胃内視鏡では粘膜表面しか組織採取できないので、疑わしい場合、超音波内視
鏡で、より深く穿刺して組織を採取するEUS-FNAが行われます。次に、
免疫組織染色を行いますが、消化管筋層内にある正常細胞の中で、KIT蛋白
とCD34の両方を有している細胞は、カハールの介在細胞だけなので、KI
T蛋白、およびCD34(血管内皮や幼弱な造血細胞と共通する表面抗原)の
存在を確認する事により平滑筋組織や末梢神経由来の腫瘍と区別します。また
CT・MRIにて腫瘍の形態や大きさ、転移の有無等を調べます。鑑別として
平滑筋腫、リンパ腫、消化管嚢胞、線維腫、血管性腫瘍、脂肪腫、好酸球肉芽
種、顆粒細胞腫、異所性膵、カルチノイド、癌、転移性腫瘍等が挙げられます。

治療
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小さくて組織採取が難しい場合や無症状の場合は経過観察となる事もあります
が、GISTと診断された場合は、日本のガイドラインでは大きさに関わらず
手術による治療が勧められています。GISTが見つかった時点で主病巣以外
の転移がある場合には内科的な化学療法の適応となり、その後外科的切除を考
慮する事もあります。GISTは粘膜下にありますが、胃癌や大腸癌に比べて、
浸潤傾向が少なく、リンパ節転移も非常に稀とされているので、部分切除や、
大きさが5cm以下の場合には腹腔鏡による切除も考慮されます。また、切除
困難例や、術後の補助療法としては、イマニチブ等の化学療法が行われます。

悪性度
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胃以外のGISTは全て悪性と考えられていますが、胃については、切除する
様な胃GISTは全て悪性という説がある一方、悪性は約25%程度である
という文献もあります。良性か悪性かという基準については、再発率により、
高リスク、中リスク、低リスク、超低リスクに分けて考える事が一般的です。
そして、このリスク分類については腫瘍の大きさと、腫瘍細胞の核分裂像数の
2因子によるマトリックスの表により決定されます。つまり、腫瘍の大きさが
大きい程、核分裂像数(腫瘍の増殖度)が大きい程再発率が高く、悪性度が高
いとされ、中リスク、高リスクが悪性とされています。(WHO分類2010)

予後
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GISTの再発は3年以内に多く、腹部内に再発する事が多く、腹膜播種や肝
臓への転移もしばしばみられます。単なる大きさだけの再発率では、2cm未
満は1%、2~5cmは10%、5~10cmは30~40%、10cm超で
は70%以上と言われています。(大阪大学の286例のデーターより。)

引受査定のポイント(胃以外は悪性として)
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現症は死亡保険系も医療保険も延期としたほうがよいでしょう。
既往症については、部位が胃で、低リスク以下であれば、死亡保険系は引受可、
医療保険は延期~引受可を考慮できるでしょう。それ以外では死亡保険系は延
期~保険金削減等の条件付での引受、医療は延期としたほうがよいかもしれま
せん。

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