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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 18◆◇ 2010.2.10

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顔面神経麻痺
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脳幹から直接出ている末梢神経は、脳神経と呼ばれ左右12対あります。顔面神経は
その7番目(第七脳神経)で、顔面の表情筋の運動や舌の前方2/3の味覚、
涙腺や唾液腺の分泌に関与しています。
顔面神経麻痺はこの神経が何らかの原因で障害され、様々な症状が生ずるものです。
ちなみに顔面神経痛(三叉神経痛)は三叉神経が原因で、全く違う病気です。

末梢性?中枢性?
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末梢性(脳幹より下位の障害によるもの)
■ベル麻痺:特発性で原因は不明。寒冷刺激やストレスが原因ともいわれています。
■ラムゼイ・ハント症候群:帯状疱疹ウイルス感染によるものです。
■慢性中耳炎・耳下腺腫瘍の術後等
■側頭骨骨折などの外傷や顔面神経管の圧迫:分娩時の後遺症等
■顔面神経自体の腫瘍:神経鞘腫
■糖尿病性:糖尿病性神経障害によるものです。

中枢性(脳幹より上位の障害によるもの)
■脳血管疾患
■脳腫瘍
■聴神経腫瘍の術後等

疫学
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顔面神経麻痺の約7割は特発性で原因不明のベル麻痺と言われています。
続いてラムゼイ・ハント症候群です。

症状
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■突然の顔面表情筋の麻痺(片側が多い)
■味覚障害(舌の前方2/3の味覚のみで、知覚は正常です。)
■聴覚障害・耳鳴・めまい等
■水泡(耳の周りや、口腔内)や疼痛(帯状疱疹ウイルスによるもの)
■涙の分泌障害
■手足の麻痺・しびれ(中枢性の場合で鑑別のポイントにもなります。)

治療
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顔面神経麻痺の中で一番多いベル麻痺は原因不明のため、マッサージや温熱療法
(暖かいタオルで顔を暖め、血行を促す)などのリハビリで軽快します。
その他に以下のような治療法があります。

■ステロイド治療:閉眼・閉口不能等の重症例に対して。
■抗ウイルス薬やステロイドの投与:ウイルスが原因の場合。
■ビタミン剤・ATP製剤の投与や神経縫合:顔面神経損傷に対して。
■星状神経節ブロック:頚椎の7番目の「星状神経節」に、麻酔薬を注入すると
  顔面の血行が改善すると言われます。
■ボトックス注射:ボツリヌス毒素を皮膚に数箇所注射し筋肉の収縮を抑制します。
  数ヶ月間効果が持続します。(最近は、美容で使用されますね。)
■顔面神経減荷術:神経の周りの神経鞘を開いて、圧迫を解除します。
■顔面神経自体を修復する神経縫合や移植手術などもあります。
■形成外科的手術:顔の表情筋がなかなか戻らない場合に考慮されます。

対症療法としては、十分な睡眠やストレスをためない生活等を送ることが肝心です。
中枢性の場合は外科手術等の原因疾患の治療が必要となります。

予後
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軽度のベル麻痺は数週間~数ヶ月以内に約8割が治癒しますが、再発も数%ありま
す。重度の顔面神経麻痺や麻痺の期間が長期になると後遺症が残る場合もあります。

後遺症
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■顔面の痙攣やひきつれ

■病的共同運動: 損傷された神経が、再生の過程で、本来とは別の場所に伸びて
  しまって、目と口が勝手に動いてしまう様な場合で、ボトックス注射などの
  治療が行われますが、治癒が難しい後遺症です。

■ワニの涙症候群: 食事のときに涙が勝手に出てしまう症状のことで、本来唾液の
  分泌を支配する神経が涙の分泌を支配する神経のほうに伸びた場合で、
  病的共同運動のようにボトックス注射による治療もありますが、基本的には
  病的共同運動と同様に治癒が難しい後遺症です。

引受査定のポイント
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顔面神経麻痺の大部分は予後が良いベル麻痺ですが、中枢性との鑑別が重要です。
原因の記載がない顔面神経麻痺の告知では、年齢・治療・入院等より
中枢性と末梢性の鑑別をし、中枢性顔面神経麻痺の場合、引受けは難しいです。

末梢性の場合は原因と経過年数・重傷度・後遺症の有無により、
生命保険は削減~標準体、医療保険は延期~標準体での引受を考慮できます。

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