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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 177◆◇ 2017.12.27

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虫垂カルチノイド
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虫垂は、小腸から大腸に変わる最初の部分である盲腸から突き出た器官で、右
下腹部にある長さ5~10cm、太さ鉛筆程度の先端が閉じた突起器官です。
虫垂カルチノイドは、低異型度・低悪性度の消化管内分泌腫瘍と位置づけられ
虫垂炎の術後に発見されることが多い腫瘍です。虫垂炎が疑われる時の症状と
同じ下腹部痛や嘔気(おうき)、発熱等の症状があります。

病型
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虫垂カルチノイドは、ほとんどがセロトニン産生EC細胞腫瘍で、頻度が低い
ものとしてはL細胞腫瘍があげられます。虫垂での腫瘍増殖は、早期に閉塞、
虫垂炎を起こして外科的に切除されるため、良性の臨床経過をたどり、転移は
珍しいです。しかし、一方で虫垂は固有筋層が薄く、粘膜下層と漿膜(しょう
まく)が近接しており、がん腫が漿膜まで達しやすいため、短期間に周囲臓器
への直接浸潤や穿孔による腹膜炎、腹膜播種(ふくまくはしゅ)をきたしやす
く、また虫垂はリンパ組織に富んでいるため、リンパ節転移もきたしやすく、
悪性の場合の予後は不良となっています。特に虫垂杯細胞カルチノイドは、通
常のカルチノイドより悪性度が高く、むしろ低分化腺癌に近いと考えられ、予
後も不良です。

疫学
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消化管に発生するカルチノイド腫瘍は日本では比較的まれで、その中では直腸
が最も多く、胃、十二指腸、虫垂(約10%)の順です。術前に診断されること
はまれで、虫垂炎と診断され、虫垂切除した後に病理学的に診断されることが
多いです。
発生頻度としては、虫垂カルチノイドは人口10万人に1.5人(0.0015%)、虫
垂切除例の0.02~1.5%と報告されています。虫垂炎として切除後に診断され
ることから若い女性に多いと言われ、部位としては、虫垂先端が70%で、リン
パ節転移リスクの高い根部は10%未満と少ないです。

診断・検査
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虫垂炎として手術した後に診断されることが多いので、虫垂炎に準じた検査が
多いです。

治療
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まず虫垂切除があり、その後に診断されることが多く、大部分は低悪性度の腫
瘍です。しかし、大きさ、転移の有無、断端浸潤、脈管侵襲、神経浸潤や組織
学的深達度、核配列の乱れや核分裂度等から、悪性度が高いと判断される場合
には、リンパ節郭清をともなう結腸右半切除等が追加で行われることもありま
す。

予後
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一般的には虫垂や直腸カルチノイドは、胃、小腸、結腸に発生するカルチノイ
ドよりも生存期間が長く、切除後の予後は良好と言われています。しかし、一
部の杯細胞カルチノイドや内分泌細胞癌としての悪性カルチノイドは、腺癌か
ら分化すると考えられ、予後の悪い腫瘍と考えられています。

引受査定のポイント(大部分は予後良好)
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現症は、死亡保険も医療保険もがん保険も引受延期と思われます。
既往症は、死亡保険も医療保険も標準体での引受が可能ですが、がん保険は引
受延期でしょう。追加手術する等の場合は悪性腫瘍に準じた査定となります。

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