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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 176◆◇ 2017.12.06

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大動脈瘤
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大動脈は体の中で最も太い3層構造の血管で、心臓から上向きに出た後、弓状
に左後方へ大きく曲がり、ほぼ背骨の前面に沿って腹部~下肢方向へと走行し
ています。横隔膜までが胸部大動脈、それ以下が腹部大動脈です。大動脈瘤と
は、動脈硬化や高血圧等の原因で血管壁が薄くなり瘤状に拡張する疾患です。

病型
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部位により、胸部大動脈瘤(TAA:Thoracic aortic aneurysm)と腹部大動脈瘤
(AAA:Abdonimal aortic aneurysm)に分けられます。 胸部については、大動
脈基部拡張症、上行大動脈瘤、弓部大動脈瘤、下行大動脈瘤の4つに分かれま
す。また形態学的に、内膜、中膜、外膜の3層構造は保たれたまま瘤状に膨ら
む「真性大動脈瘤」と、壁の一部が欠損し、そこから漏れた血液が周りの組織
を圧迫して瘤状になった「仮性大動脈瘤」、内膜と中膜の間に亀裂が生じ、そ
こに血液が入り込み、どんどん裂け目(解離)が広がっていく「解離性大動脈
瘤」があります。また、胸部と腹部にまたがって生じる胸腹部大動脈瘤もあり
1~4型に分けられます。

疫学
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大動脈瘤および解離による平成27年の死亡人数は16,887人で、死因の第9位、
直近の平成28年も18,146人で第9位でした。(厚生労働省)
AAAは50~70才が発症のピークで、平均年齢は65才前後、男性が圧倒的に多い
です。

原因
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動脈硬化が最も多いですが、その他に感染症(梅毒、サルモネラ菌等)、炎症
(高安動脈炎、ベーチェット病等の各種血管炎)、外傷(交通事故)、先天的
に血管壁が弱い疾患(マルファン症候群、エーラス・ダンロス症候群等)があ
ります。危険因子としては、高血圧、60才以上、男性、家族歴、アテローム性
動脈硬化症の既往、喫煙があげられます。

症状
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瘤が小さい場合には無症状で、検査で偶然発見されることが多いです。動脈瘤
が大きくなり周囲の臓器を圧迫すると、嗄声(反回神経麻痺)、嚥下障害(食
道圧迫)、呼吸困難、腰痛や腹痛、腹部の拍動を手で触れることもあります。
破裂すると胸背部や腹部に激痛が生じ、ショックになり喀血や吐血を引き起こ
し、出血多量で死亡することもあります。

診断・検査
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AAAの場合には、腹部の触診で拍動性のしこりとして触れることもありますが、
通常は無症状です。レントゲン検査や超音波エコーで偶然発見され、CT検査で
診断確定され、定期的に大きさの変化をみます。MRI検査や血管造影検査が行
われることもあります。

治療
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大動脈瘤が小さい場合、破裂を防ぐために降圧剤による薬物療法を行います。
しかし根本的な治療法ではなく、ある一定の大きさに達した場合には、足の付
け根からカテーテルにて人工血管を挿入し破裂を予防する低侵襲カテーテル治
療(ステントグラフト治療)か、開胸・開腹して大動脈瘤を切除し人工血管に
置き換える外科的手術を行います。

合併症
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人工心肺の使用による脳障害や呼吸障害、腎障害、腸管虚血、下肢虚血等があ
ります。

予後
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4cm未満では破裂の危険性はほとんどありませんが、5cmを越えると徐々に破
裂率が高くなり、死亡リスクも高くなります。また、定期的にCT検査で大き
さをチェックし、急激に大きくなる場合は手術を行います。

引受査定のポイント(手術の有無)
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現症は死亡保険も医療保険も引受延期でしょう。
既往症でも、手術がない場合は、死亡保険も医療保険も引受延期です。手術後
は、死亡保険は引受延期~保険料割増等の条件付での引受を考慮できますが、
医療保険は引受延期でしょう。

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ご意見・ご質問はinfo@hokensatei.comまでお寄せください。

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