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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 175◆◇ 2017.11.22

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虫垂炎
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虫垂は、小腸から大腸に変わる最初の部分である盲腸から突き出た器官で、右
下腹部にあります。長さは5~10cm、太さは鉛筆程度の先端が閉じた突起
器官で、虫垂炎とはこの部分に化膿性の炎症が生じたものです。
急性腹症の中では最も頻度が高く、15人に1人が一生に一度はかかるともい
われています。どの年齢層にも見られますが、発症のピークは10~20代で
男女差はありません。

病型
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炎症の程度により、カタル性(粘膜層の軽い炎症)、蜂窩織炎性(全層の化膿
性炎症)、壊疽性(虫垂壁全層の壊死)があります。壊疽性で穿孔に至ると腹
膜炎を合併します。

原因
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糞便や異物(植物の種、魚骨、乳歯、義歯等)、リンパ組織の過形成、膿瘍等
により、虫垂の入り口が狭くなります。そのため内圧上昇と血行不良が生じ、
細菌が侵入し感染して急性の炎症が生じることが原因と考えられています。

症状
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右下腹部痛、食欲不振、発熱、吐き気、嘔吐が主な症状です。39度以上の高
熱の場合は、穿孔性腹膜炎や膿瘍形成の可能性があります。

診断・検査
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身体所見として、触診による各種圧痛点や腹膜刺激徴候があります。診断時に
よく用いられる指標としてAlvaradoスコアがあります。食欲不振、嘔吐、発熱、
右下腹部の圧痛、白血球10,000/μL超等の、虫垂炎に特異的な8項目を
点数化し、合計10点満点中6点以上で急性虫垂炎を疑います。7点以上では
感度・特異度は8割程度と言われています。血液では白血球やCRPの上昇、
CTでは虫垂の腫大や周囲脂肪組織の濃度上昇が認められます。造影CTはよ
り正確で、感度・特異度が98%と高いです。その他超音波検査も有用です。

鑑別診断
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10%程度の誤診があるとも言われており、鑑別疾患として、急性腸炎、大腸
憩室炎、骨盤内炎症性疾患、卵巣出血、子宮外妊娠、回盲部周囲炎、大腸癌、
急性腸間膜リンパ節炎、腎盂腎炎等があります。

治療
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炎症が軽度であれば、絶食、輸液管理を行い、セフェム系抗菌剤投与で軽快す
ることも多いのですが、2年全再発率は13.8%という報告もあります。
(Annals of Surgery 2014:260(1):109-117)
炎症が高度の場合や合併症がある場合などは、開腹または腹腔鏡下で虫垂切除
術が行われます。なお、虫垂は、リンパ組織が集まっており免疫に関与すると
言われますが、少なくとも成人では不要と考えられている臓器です。

合併症
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比較的簡単な手術ですが、手術後の約1割に合併症が見られます。術中は出血
や多臓器の損傷、術後は皮下膿瘍や遺残膿瘍、糞瘻形成、イレウス、卵管性不
妊等があります。

予後
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かつては死亡率が高かった時期もありますが、穿孔したり腹膜炎や敗血症を併
発したりしない限りは、一般的には予後良好な疾患と考えられます。

引受査定のポイント
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現症は、死亡保険も医療保険も引受延期と思われます。
既往症は、手術がない場合は死亡保険は標準体での引受が可能ですが、医療保
険は数年間は部位不担保等の条件付きとなります。
手術後は、死亡保険も医療保険も標準体での引受が可能でしょう。

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