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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 174◆◇ 2017.11.8

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子宮脱
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子宮脱とは、文字通り子宮が膣から脱する疾患です。子宮は靭帯や骨盤底筋に
よりハンモック状に支えられ骨盤中央にあります。しかし、加齢や妊娠・出産
等により支えが緩んでくると、重力により膣の方へと垂れ下がります(子宮下
垂)。さらに進行し、子宮の一部または全部が体外へと出てしまった場合、子
宮脱となります。女性の約10%が性器脱を経験し、その95%は分娩経験者とい
われています。しかし、分娩後すぐになるわけではなく、閉経を迎えるころか
ら多くなり60歳代がピークといわれます。(日本女性心身医学会HPより)

病型
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骨盤内の臓器は、膣の前方に膀胱や尿道、後方に直腸があります。膣の壁が弱
くなると、膀胱や尿道、直腸が落ち込んできて膣内に飛び出し、それぞれを尿
道脱、膀胱脱、直腸脱と呼びます。この他、膣の後方が弱くなると小腸脱も生
じ、子宮脱と合わせて骨盤臓器脱(性器脱)と呼ぶことがあります。
子宮脱は、程度が軽い子宮下垂、一部が落ち込む部分子宮脱、重症の完全子宮
脱に分かれています。

原因
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妊娠・出産での経腟分娩時に、胎児が膣を通る際に骨盤底が傷つき、回数や年
齢を重ねるごとに子宮を支える筋膜や靭帯が緩むことが原因と考えられます。
その他、肥満や排便時のいきみ、外科的手術、慢性的な咳、継続的に重いもの
を持つ仕事等、腹圧がかかりすぎることや先天的な要因が関係していることも
あります。

症状
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程度の軽い子宮下垂では無症状ですが、子宮脱では、ピンポン球くらいの丸く
固いものが外陰部に触れるようになります。下腹部の不快感・圧迫感・下垂感、
腰痛といった症状が現れます。子宮の前方の膀胱や後方の直腸が一緒に下がっ
てくることもあり、膀胱瘤、直腸瘤はふわふわした腫瘤として触れ、排尿障害
や排便障害の原因となります。また、脱出した部分が下着に接触すると、出血
したり炎症・化膿したりします。

診断・検査
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妊娠や出産歴等の問診や内診で診断はつきますが、超音波エコー、MRI等で
脱出の程度や周りの臓器との位置関係、手術適応等を判断します。

治療
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程度の軽い子宮下垂では、骨盤底筋を鍛えるためのケーゲル体操や、ペッサリ
ーなどの器具で物理的に子宮口を下から支える対症療法が有効です。手術とし
ては、子宮頸部の一部を切除して靭帯の補強を行う手術や子宮を全摘し膣壁の
緩んだ箇所を縫い縮める子宮全摘術と前後膣壁縫縮術を組み合わせた治療法、
膣自体を閉じてしまう膣閉鎖術があります。TVM手術(Tension-free
Vaginal Mesh)は、ヘルニア手術などで筋膜の代わりとして使用されているメ
ッシュと呼ばれる人工素材を入れて臓器を支える治療法で、2016年4月からは、
メッシュを使用して膣を支え、仙骨に固定する腹腔鏡下仙骨膣固定術が健康保
険の適用対象となりました。

合併症
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術中の出血、膀胱や尿管、直腸等の骨盤内臓器の損傷が起こることがあります。
術後は、血種や尿失禁、メッシュが異物として膣壁から出てくることもありま
す。

予後
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死亡リスクはありません。またメッシュ手術は、フランスのデータでは再発率
が3~6%と低いです。

引受査定のポイント
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現症は、死亡保険は標準体での引受が可能ですが、医療保険は部位不担保等の
条件付きでの引受となるでしょう。
既往症は、手術後で合併症のない場合、死亡保険も医療保険も標準体での引受
が考慮できるでしょう。

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ご意見・ご質問はinfo@hokensatei.comまでお寄せください。

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