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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 172◆◇ 2017.09.27

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動脈管開存症
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胎児は肺で呼吸していないため、心臓に戻ってきた血液を肺に送る必要がなく
肺動脈から直接大動脈に血液が流れる動脈管という血管が存在します。動脈管
は、生後1~2日で収縮して血行が途絶し、遅くとも生後2~3週では完全に
閉鎖します。しかし、動脈管が閉鎖せずに開いたままの状態で、血圧の高い大
動脈から肺動脈に血液が流れ込み、肺と心臓に負担がかかるような先天性心疾
患を動脈管開存症と言います。18歳未満の児童は、小児慢性特定疾患として
医療費助成の対象となっています。

疫学
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もっとも多い先天性心疾患の一つで、全体の5~10%を占めています。(日
本小児外科学会より)
また、頻度は出生2500人~5000人に1人(0.02~0.04%)であ
り、性差は2:1で女性に多いと言われています。(小児慢性特定疾病情報セ
ンターより)

原因
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胎内で動脈管が開存しているのは、胎児循環の低い酸素濃度と高いプロスタグ
ランジン濃度によるもので、出生後は酸素分圧は上がり、プロスタグランジン
濃度は下がるので通常は閉鎖します。単独病変での原因は不明ですが、先天性
風疹症候群(風疹ウイルス)や、出生後に続く低酸素血症が原因として知られ
ています。

症状
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太い動脈管開存では生後2~3ケ月で心不全を生じ、乳児では多呼吸、頻脈、
多汗、哺乳不良、体重増加不良が見られます。その他、動悸や息切れ、呼吸困
難などの心不全症状が認められます。

診断・検査
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胸部レントゲンでは心拡大を認めます。心電図では、左房負荷と左室肥大を呈
し、肺高血圧合併例では右室肥大所見も呈します。心雑音は、収縮期雑音から
次第に拡張期および典型的な連続性雑音へと変化しますが、重症例では収縮期
のみ聴かれたり、まれに全く聴取されないこともあります。心エコー検査でも
左房負荷と左室肥大や右室拡大、肺動脈の拡張を呈し、動脈管自体を抽出でき
る場合もあります。また治療方法を選択するために、心臓カテーテル検査を行
う場合もあります。

鑑別疾患
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肺動静脈瘻、大動脈肺動脈中隔欠損、冠動静脈瘻やその他心雑音が聴取される
ような弁膜症や小児の各種先天性心疾患があります。

治療
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出生直後ではインドメサシン等のプロスタグランジン合成阻害剤を投与します
が、無効の場合、心不全を改善するため動脈管を閉じる手術を行います。カテ
ーテル治療としては、数ミリ程度の小さな動脈管に行うコイル治療と、それよ
り大きな動脈管でも有効なアンプラッツアー閉塞栓による治療法があります。
それ以外では、開胸により結紮(けっさつ)、切離、あるいはクリップによる
動脈管を遮断する手術や、胸腔鏡を用いた手術があります。心不全がある場合
には、利尿薬や血管拡張薬を中心とした内科的治療も行います。

予後
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細い動脈管は心不全を起こしませんが、細菌性心内膜炎を合併する危険はあり
ます。太い動脈管開存症は肺高血圧を合併し、乳児期に心不全を生じるので治
療が必要ですが、その後の予後は良好です。治療せずに成人に達した場合には
心不全や不整脈を生じる危険性があり、特に胸部レントゲンで心拡大が進行す
る場合には予後不良です。30歳以上では動脈管部が石灰化し、動脈瘤となっ
ていることもあり、無理に結紮すると大出血することもあるので、注意が必要
で、人工心肺を用いた手術を行うことがあります。

引受査定のポイント(手術の有無)
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現症は、死亡保険も医療保険も共に引受延期です。
既往症は、手術直後は死亡保険は保険料割増等の条件付で、医療保険は引受延
期ですが、一定期間が過ぎれば死亡保険も医療保険も標準体での引受が可能と
思われます。

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