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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 169◆◇ 2017.08.02

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体質性黄疸
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血液中の酸素を運ぶヘモグロビンは、分解されビリルビンとなった後、肝臓で
修飾を受け(グルクロン抱合)、胆道を通って便として体外に排出されます。
しかし、肝臓や胆道の疾患、赤血球の溶血等の場合は、ビリルビンが増え黄疸
となります。体質性黄疸は、肝臓や胆道、赤血球の破壊がないにもかかわらず
遺伝的な要因で排出がうまくできず、体内でビリルビンが増える疾患です。
皮膚や粘膜が黄色くなり(黄疸)、掻痒感が生じることもあります。

分類
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ビリルビンは、脂溶性で細胞毒性の強い間接型(非抱合型)ビリルビンと、肝
臓でグルクロン抱合と呼ばれる修飾を行った後の、水溶性で細胞毒性の弱い直
接型(抱合型)ビリルビンがあります。
間接型が優位のものはクリグラー・ナジャール症候群とジルベール症候群で、
直接型が優位のものはデュビン・ジョンソン症候群やローター症候群です。
また発症時期による違いとしては、クリグラー・ナジャール症候群は新生児期
からで、デュビン・ジョンソン症候群やローター症候群は思春期以降で、ジル
ベール症候群は成人してからと言われています。
遺伝性の黄疸として最も一般的な疾患(人口の3~7%)はジルベール症候群
と考えられ、1901年にフランスの消化器科のジルベール医師によって初め
て報告されました。

原因
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ビリルビンは、グルクロン抱合を行うことによって水溶性で毒性が弱い直接型
(抱合型)ビリルビンとなり、胆汁に混じって十二指腸に分泌されるようにな
ります。しかし、最も一般的なジルベール症候群や稀ですがクリグラー・ナジ
ャール症候群の場合、グルクロン抱合を行うためのグルクロン酸転移酵素の活
性が無いか弱いため、細胞毒性の強い間接型(非抱合型)ビリルビン濃度が上
昇します。デュビン・ジョンソン症候群やローター症候群は、グルクロン酸抱
合後の、毛細血管に送り出す過程に何らかの障害があると考えられています。

診断・検査
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いずれも、常染色体(劣性または優性)遺伝疾患なので家族歴の問診が重要で
す。診察では皮膚の黄疸の程度や貧血具合を定性的に見て、血液検査で貧血や
溶血、肝機能障害の有無やビリルビン値を定量的に確認します。超音波エコー
やCT検査で肝臓病変や閉塞性黄疸の有無も見ます。

鑑別診断
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溶血性貧血、ウイルス性肝炎、肝硬変、胆汁鬱滞をきたす疾患(胆道系の癌等
)、新生児生理的黄疸等。

治療
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クリグラー・ナジャール症候群のⅠ型で酵素活性がゼロの場合には、高度の黄
疸をきたすため光療法が行われます。しかし、皮膚が厚くなる幼児期以降には
効果が薄く、脳に重篤な後遺症を残すか、幼児期に死亡してしまうことが多い
です。美容的に黄疸を軽減したい場合には、酵素活性を上げるフェノバルビタ
ールを服用することもありますが、それ以外は特に治療は必要ありません。

予後
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クリグラー・ナジャール症候群には、グルクロン酸転移酵素の活性がゼロのた
め、生後間もなくから遷延し核黄疸を示す予後不良な型(Ⅰ型)と、酵素の活
性は正常の10%未満ですが、その後も黄疸以外の症状は認められない予後良
好な型(Ⅱ型)があります。成人に多く見られるジルベール症候群は、細胞毒
性の強い間接型(非抱合型)ビリルビン優位ですが、黄疸の程度は軽く(2~
5mg/dl 程度まで)日常生活に支障はありません。治療も必要なく予後は良好
です。デュビン・ジョンソン症候群やローター症候群は、細胞毒性の弱い直接
型(抱合型)ビリルビンで、黄疸以外の症状はなく予後は極めて良好とされて
います。
したがって、クリグラー・ナジャール症候群Ⅰ型は幼児期に発症し致死的であ
るため、生存しているほとんど全ての体質性黄疸患者は予後良好ということに
なります。

引受査定のポイント(ほどんど全て予後良好)
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現症、既往症ともに、死亡保険も医療保険も全て引受が可能と思われます。

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ご意見・ご質問はinfo@hokensatei.comまでお寄せください。

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