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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 168◆◇ 2017.07.05

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骨パジェット病
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正常な骨では、古い骨を分解する破骨細胞と新しい骨を作る骨芽細胞がバラン
スよく働いて骨の構造と整合性を保っています。しかし、骨パジェット病では
体の一部の骨の代謝が異常に亢進するため、正常な基質が軟化し、腫大した骨
に置き換わって骨強度の低下や変形をきたします。1877年英国のPaget(
パジェット)医師により、変形性骨炎として初めて詳細が報告されました。

疫学
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欧州(スカンジナビアを除く)やオーストラリア、ニュージーランドでの罹患
率が高く、米国でも40歳以上の1%に認められます。日本では1000万人
あたり2.8人の有病率で、患者数は200~300人(2008年)と非常
に稀な疾患です。

原因
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いくつかの異常遺伝子が同定されており、ウイルスが破骨細胞の異常な活性を
引き起こすという仮説が立てられています。病変部では骨代謝の異常な亢進が
生じており、破骨細胞による骨吸収と造骨細胞による骨新生の双方が活発化す
るため、骨は肥厚するものの骨質は損なわれて強度が低下し、骨折や変形、疼
痛をきたします。

部位
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全身のあらゆる骨が罹患する可能性がありますが、多いのは、骨盤、大腿骨、
頭蓋骨、脛骨、脊椎、鎖骨および上腕骨です。四肢の場合は骨折を、顎骨の変
形は開口障害や歯科的障害を、頭蓋骨の肥厚・肥大は難聴、頭痛、視力障害を、
脊柱の肥大は脊柱管狭窄症等の神経学的な障害をきたす原因となります。

症状
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通常は長期間にわたり無症状ですが、骨の疼痛、こわばり、疲労、骨変形をと
もなって潜行性に発生し、関節炎、神経圧迫による神経原性疼痛を生じること
もあります。病巣部が進行すると、病的骨折を起こしやすくなります。

診断・検査
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単純X線では、骨硬化の増加、皮質の粗い骨梁形成が認められます。血液検査
ではALP(特に骨分画のALP3)や骨代謝マーカー等を行います。CTや
MRIも有用ですが、テクネシウムを用いた骨シンチグラフィーでは骨格の詳
細や骨の内部構造もわかり診断に有用です。

合併症
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変形性関節症、脊柱管狭窄症、骨を通る血流が増大し心臓に負担をかけるため
に心不全が生じることもあります。また1%ですが、病巣部の骨が癌性になる
と骨肉腫、繊維肉腫、軟骨肉腫を発症することもあります。その他、高カルシ
ウム血症、筋力低下、便秘、尿路結石、難聴、眩暈、頭痛、低身長、O脚、易
骨折性など全身に合併症が生じる可能性があります。

鑑別疾患
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骨粗鬆症、変形性関節症、骨軟化症、癌の骨転移、原発性骨腫瘍(良性、悪性
)、副甲状腺機能亢進症、骨形成不全症等があります。

治療
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症状がある場合や合併症がある場合には治療が必要となります。神経の圧迫や
疼痛に対してはNSAID等の鎮痛剤があり、関節炎が重症の場合は人工関節
に置換することもあります。
各種ビスホスホネート製剤は、骨パジェット病の進行を遅らせることができま
す。高カルシウム血症がある場合には、カルシトニンの皮下か筋肉注射を行っ
たり点滴や利尿剤を投与します。骨にカルシウムを十分取り込むために、普段
の食事からカルシウムとビタミンDを十分に摂取するよう心がけます。

予後
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ほとんどの場合、予後は大変良好です。ただし、骨の癌を発症した少数の患者
や、心不全、脊髄圧迫などの合併症を起こした場合は、適切な時期に治療が成
功しないと予後は良くありません。

引受査定のポイント(症例は少ないが大部分は予後良好)
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5年以内に治療歴があれば、死亡保険も医療保険も共に引受延期と思われます。
5年以内に治療歴がなければ、死亡保険も医療保険も共に引受が可能と思われ
ます。

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ご意見・ご質問はinfo@hokensatei.comまでお寄せください。

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