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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 166◆◇ 2017.05.31

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エコノミークラス症候群
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長時間足を動かさずに同じ姿勢でいると、足の深部静脈に血の塊(深部静脈血
栓)が生じ、これが血流にのって肺に流れて肺の血管を閉塞(肺塞栓)してし
まうことがあります。この様な一連の疾患は、航空機のエコノミークラスに搭
乗した方に多いことから、エコノミークラス症候群と呼ばれています。

疫学
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60歳前後の男女が片道8時間以上の飛行時間を往復した場合、1割の乗客で
下肢静脈内に血栓の発生が確認されたという報告もあります。
(英医学誌ランセットの論文)

原因
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飛行機の機内は湿度が低いので体内の水分が失われやすく、気圧も低いため血
液の流れも悪くなります。また、アルコールやコーヒーを飲用した場合には、
さらに水分が失われやすくなり、血液が濃縮し血栓ができやすくなります。こ
うして足にできた血栓が、着陸後に動き出した途端に血流に乗って肺に入り、
血管を塞いでしまうと考えられています。また、エコノミークラスのみならず、
ビジネスクラスやファーストクラス、電車や自動車、バス等の狭い空間でも同
様な症状が生じることがあるので、旅行者血栓症と呼ばれることもあります。

症状
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初期には大腿から下の足に発赤、腫脹、疼痛が出現しますが、足にできた血栓
が肺に詰まると、胸痛、息切れ、呼吸困難、重症の場合には失神症状が出現す
ることもあります。目的地に到着後、数時間から長い場合には数週間して発症
することもあるので注意が必要です。急性肺血栓塞栓症の臨床重症度分類は、
血行動態(心停止、ショック)や心エコーでの右心負荷の有無により4段階に
分けられています。

診断・検査
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搭乗歴や自覚症状等の問診で、この疾患をまず念頭に置くことが重要です。次
に胸部レントゲンや心電図(不整脈や右心室、右心房の負荷)、血液検査(D
ダイマーの上昇等)を行います。その他、動脈血分析や心エコー、肺血流シン
チ、造影CTでほぼ診断確定できます。

肺血栓塞栓症の危険因子
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高齢者、下肢静脈瘤、下肢の手術、骨折等のけが、悪性腫瘍、深部静脈血栓症
・心筋梗塞・脳梗塞の既往、肥満、経口避妊薬、妊娠中または出産後、生活習
慣病がある方は特に注意する必要があります。(厚生労働省のパンフレットよ
り)

治療
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急性期を乗り切れば予後は良好なため、早期診断・治療が重要です。初期治療
としては、出血に注意しながら抗凝固療法、血栓融解療法の薬物療法が主体と
なります。並行してカテーテル的治療法としては、血栓吸引術、血栓破砕術、
血栓除去術が行われることがあります。広範囲な塞栓症や血行動態が不安定な
重症例では、外科的に直視下で直接血栓摘出術を行う手術が良好な成績を示し
ています。その他、塞栓症の予防や再発防止の観点から、下大静脈フィルター
の有用性が認識されています。フィルターには、永久留置型と数週間だけの非
永久留置型があります。

予防法
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長時間同じ姿勢でいることを避けます。また足の運動をします。具体的には、
足や足の指をこまめに動かし、足の上下運動やできれば歩行もします。また、
適度な水分をとり、時々深呼吸をすることも必要です。(厚生労働省のパンフ
レットより)

予後
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我が国のデータでは、急性肺血栓塞栓症の死亡率は、全体では14%ですが、
心原性ショックを呈した症例では30%(血栓溶解療法あり20%、なし50
%)、心原性ショックを呈さなかった症例では6%となっています。
(肺血栓塞栓症ガイドラインより)

引受査定のポイント
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現症は、死亡保険・医療保険共に引受不可です。
既往症は、死亡保険は保険金削減~引受可、医療保険は引受延期~引受が可能
と思われます。

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ご意見・ご質問はinfo@hokensatei.comまでお寄せください。

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