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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 163◆◇ 2017.03.31

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大腿骨頭壊死症
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大腿骨頭の一部が血流低下により壊死に陥って圧潰(あっかい)し、股関節の
機能が失われる難治性の疾患です。明らかな基礎疾患がないものを特発性大腿
骨頭壊死症といい、厚生労働省が指定する特定難病疾患です。原因が不明なも
の以外に、ステロイド性、アルコール性のものも特発性に分類されます。大腿
骨頸部骨折、股関節脱臼、放射線照射、および潜函病等による原因がはっきり
したものは、二次性大腿骨頭壊死症といいます。
骨壊死が発生しただけでは自覚症状はありませんが、数ケ月から数年で大腿骨
頭に圧潰が生じ、急に股関節部痛が生じます。初期の段階では、安静により数
週で消失することもありますが、再度増強した時は圧潰が進行していることが
多いので手術時期等の注意が必要です。

疫学
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特発性大腿骨頭壊死症の平成24年度医療受給者証保持者数は15,388人
です。年間新規発生は、以前は約2,200人と推定されていました。背景因
子としては、ステロイド全身投与が51%と多く、次いでアルコール関連が
31%、ステロイドとアルコールが3%、両方ないという狭義の特発性が約
15%です。男女比は5:4で男性に多く、確定診断時の年齢のピークは男性
は40代、女性は30代で、アルコール関連は男性に多く、ステロイド関連は
女性に多いです。女性がステロイド全身投与となった基礎疾患としては、SL
Eが最多で31%、ネフローゼ6.3%、多発性筋炎・皮膚筋炎4.9%、その
他の膠原病や臓器移植等があります。

原因
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ステロイドは1日平均で15mg以上の内服、お酒は日本酒で毎日2合以上の
飲酒の場合、発生危険因子でありますが、骨壊死との因果関係が必ずしも明確
になっていないことから、特発性大腿骨頭壊死の方に分類されています。
その他酸化ストレスや血管内皮機能障害、血液凝固能亢進、脂質代謝異常、脂
肪塞栓等の関与も指摘されますが、十分な科学的根拠には至っていません。

検査
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X線では、(1)骨頭の圧潰や(2)骨頭内の帯状硬化像が見られます。その
他、(3)骨シンチや(4)MRI、(5)骨生検での骨壊死像の5項目の検
査のうち2項目以上を満たせば確定診断とされます。

除外・鑑別診断
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一過性大腿骨頭萎縮症、感染症(化膿性、結核性、骨髄炎)、変形性股関節症
(骨頭壊死による二次性股関節症は除きます)、腫瘍、骨端異形成症、外傷
(大腿骨頸部骨折、外傷性股関節症)、大腿骨頭すべり症、骨盤部放射線照射、
減圧症に合併する壊死症、小児に発生するぺルテス病等があります。

重症度・病期分類
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大腿骨頭壊死域の範囲や位置によりTypeA~Cまで重症度分類され、時期等に
よりStage1~4までの病期分類がなされます。TypeB、CまたはStage2以上
が医療費受給補助の対象となります。その他、日本整形外科学会股関節機能判
定基準(100点満点)により、80点未満の方が受給対象となります。

治療
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壊死部の大きさや位置等から、症状がなく予後がよいと判断された場合には、
生活指導や消炎鎮痛剤等の保存的治療を行いますが、範囲が小さい場合以外は
自然縮小は難しく、その後進行すれば最終的には手術療法となります。若年者
では自分の関節を残す骨移植術や骨切り術が行われますが、進行した場合や高
齢者では人工骨頭置換術や人工股関節全置換術などの関節置換術が行われます。

予後
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壊死領域の位置と大きさによりますが、領域が小さく荷重部を避けて存在する
場合には圧潰せず、無症状で経過することもあります。また、壊死領域が大き
くても、関節温存手術または人工骨頭置換術や人工股関節全置換術を行えば術
後は予後良好とされます。

引受査定のポイント
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(ステロイド性とアルコール性が多いです)
基礎疾患がない場合には、現症は、死亡保険は標準体での引受が可能ですが、
医療保険は引受延期(術後まで)の方がよいと思われます。
既往症(手術後)については、死亡保険は標準体での引受が可能で、医療保険
は部位不担保~標準体での引受を考慮できると思われます。
原因疾患(膠原病等)がある場合には、そちらの評点を加算します。

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