株式会社査定コンサルティング

生命保険査定業務・教育研修等を総合的にサポート

HOME > 未分類 > ◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 162◆◇ 2017.03.16

◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 162◆◇ 2017.03.16

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
小耳症(しょうじしょう)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
小耳症とは、出生時に耳の形成が不完全で、通常よりも耳介が小さい先天性の
奇形です。

疫学
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
約6,000人~10,000人に1人の確率で生まれ、男女比は2:1と男児
に多く、右耳:左耳:両耳の比は5:2:2と右耳が多いといわれています。
小耳症には様々な程度がありますが、耳が完全に欠損している場合には無耳症
といわれます。また、小耳症患者は耳の穴がふさがっていること(外耳道閉鎖
症)が多く、聴力が低くなります。

原因
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
遺伝性は基本的にはないとされています。また、サリドマイド、抗がん剤など
一部の薬剤の関与も示唆されていますが、はっきりはしていません。高齢出産
や喫煙等の影響は認められず、原因が特定できないものがほとんどです。
耳介や顎は、母親の胎内にいる時に、ちょうど魚のえらにあたる第一と第二鯉
弓(さいきゅう)の部分が癒合して形成されます。小耳症は何らかの原因で、
第一鯉弓と第二鯉弓の癒合に障害が生じて起こると考えられており、以下の合
併症をともなうことがあります。

合併症(第一第二鯉弓症候群)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
鯉弓とは妊娠4週初め頃の胎児にできてくる隆起性の構造体で、顔面や頸部の
様々な器官を作るもとになります。鯉弓は第一~第六まであり、第一、第二は
下顎や耳、口などの形成に関与しており、ここでの発育障害は外耳道閉鎖また
は狭窄、下顎骨(かがくこつ)の低形成(咬合異常)、軟骨軟部組織の低形成
(顔貌の左右差)、顔面神経麻痺、巨口症(口角が外に裂けた様な形態)、頸
椎等の変形、一部に口唇裂や口蓋裂、心疾患をともなうことがあります。

症状
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
小耳症は、耳介が小さく外耳道が閉鎖していることが多いです。片側だけの場
合は、反対側の耳は正常なので日常生活で問題となることは少ないのですが、
両側の場合は、聴力の低下と共に言語発達や学習の遅れにつながるので、耳鼻
科で骨導補聴器をつけることがあります。また、顔面神経麻痺により眉毛や口
が片方だけ下がっていたり、眼瞼がきちんと閉じないこともあります。他の先
天的な病気を合併することもあり、心臓などの全身チェックも必要です。

検査
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
小耳症やその他の合併症は、外観的な視診ですぐにわかることが多いのですが
外耳道閉鎖等で聴力障害があり生後早期に行える検査としては、睡眠時に音に
よる脳波の変化を調べるABR(聴性脳幹反応検査)が代表的です。

治療
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
正常な耳は、複雑な立体方をした薄い軟骨とそれを覆う皮膚からできています。
耳の形成手術を行う場合は、患者自身の右第6~8肋軟骨から比較的多量に軟
骨を採取します。皮膚は、残っている皮膚を最大限利用するとともに、植皮を
追加して作る方法と、組織拡張器を使用して耳を作る部分の皮膚に数か月かけ
て少しづつ生理食塩水を注入して膨らます方法があります。造られた耳はその
後は大きくならないことと、成長に伴い耳の位置が少しずつ変わること、大人
の耳に必要な軟骨を採取するのに幼児期では量が少なく、逆に年齢が経過する
と曲げにくくなることから、一番適切な手術時期は10歳~20歳までとされ
ています。
肋軟骨移植以外の治療方法としては、シリコン等の人工物を埋め込む手術や義
耳(シリコン製の耳を単に皮膚に貼り付ける方法と頭蓋に金属を打ち込み一部
を皮膚から出してシリコン製の耳を取り付ける方法)があります。再生医療に
よる耳軟骨の再生という可能性もありますが、まだ現実的ではありません。

予後
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
心臓等の他の合併症がなければ小耳症としての生命予後は良好で、10歳前後
まで成長を待ってから手術をすることが多いです。

引受査定のポイント
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
現症は、死亡保険は標準体での引受が可能可ですが、医療保険は部位不担保等
の条件付きと思われます。
既往症(手術後)については、合併症がなければ標準体での引受が可能と思わ
れます。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ご意見・ご質問はinfo@hokensatei.comまでお寄せください。

戻る