株式会社査定コンサルティング

生命保険査定業務・教育研修等を総合的にサポート

HOME > 未分類 > ◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 16◆◇ 2010.1.12

◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 16◆◇ 2010.1.12

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
子宮筋腫
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
子宮筋腫とは、子宮筋層を形成する平滑筋が腫瘍化したもので、カプセルに包まれた
ような形をしています。子宮壁は3つの層で構成されていますが、筋腫ができる場所
によって以下の3種類に分類されます。
 1.粘膜下筋腫:子宮内側の粘膜下にでき、子宮内腔に飛び出ています。
 2.漿膜下筋腫:子宮外側の漿膜下にでき、子宮外に飛び出ています。
 3.筋層内筋腫:文字通り子宮筋層内にできるもので最も多いです。
これ以外に子宮頸部にできるものを子宮頸部筋腫といいます(約5%)。
また約半数が多発性に発生します。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
原因
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
はっきりとした原因は不明ですが、女性ホルモン(エストロゲン)の影響で発育する
と考えられています。20代から散在し、30~40代でよく見つかり、
50代の閉経期以降は縮少して自然に消失することもあります。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
疫学
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
子宮筋腫は成人女性の約25%に発生する良性の疾患で、悪性化するのはまれです
(0.5%以下)が、その腫瘍径が7~8cmを超えると悪性の可能性も出てきます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
検査
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■外診・内診:
膣内と腹部に手をあて大きさ・形・硬さ・癒着などを調べます。

■エコー:
大きなものは腹部エコーの方が向いていますが、経膣エコーの方が小さい
ものや内膜の状態を知るためには優れています。

■CT・MRI:
子宮線筋症や子宮内膜症との鑑別をします。

■子宮鏡(2種類あります):
 -軟性鏡:直径2~5mmのいわゆる子宮用の柔らかい内視鏡(ファイバースコープ)
   のことで外来での検査が主目的です。
 -硬性鏡:直径約1cmで麻酔が必要で切除等の手術が主目的です。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
症状
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
症状には下記のようなものがあります。ただし小さいうちは半数以上が無症状です。
巨大になると、筋腫分娩といって子宮頸部から膣に脱出することもあります。

■月経困難症:
筋腫のため収縮がしにくくなり、過度の収縮現象で月経痛がひどくなります。

■過多月経・不正出血:
筋腫により、月経時に剥がれ落ちる子宮内膜の面積が広がり、骨盤内の圧迫も
増え、出血の量が増えたり、8日以上月経が続くこともあります。
月経時以外に出血する不正出血も見られます。

■貧血:
過多月経や不正出血によりゆっくりと鉄欠乏性貧血が進行します。めまいや動悸
息切れ、易疲労感など貧血の症状を契機として偶然発見されることもあります。

■便秘・頻尿:
筋腫が大きくなると骨盤内の臓器(直腸・膀胱)が圧迫され便秘・頻尿の症状が
出ます。

■腰痛:
筋腫が大きくなると骨盤内の神経が圧迫され腰痛が生じる事もあります。

■不妊・流産:
臓器圧迫のため不妊や流産の原因になる事もあります。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
治療
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■経過観察:小さいもの・無症状の場合。

■薬物療法:鎮痛剤・弛緩剤・止血剤・増血剤(鉄剤)・漢方

■偽閉経療法:女性ホルモンの分泌を抑える事により人工的に閉経状態を作り出し、
筋腫を縮小させる療法です。ホルモン剤には注射薬と点鼻薬がありますが、
  副作用があるので長期間は使用できず、また止めると元にもどります。
手術前に一時的に筋腫を小さくするために使用することもあります。

■子宮全摘出術:開腹・腹腔鏡・膣式(膣から子宮を引き出して摘出)があります。

■子宮筋腫核出術:開腹・腹腔鏡・子宮鏡下(3cm程度の粘膜下筋腫の場合)
しかし、目に見えない筋腫核は取りきれないので、再発率も高くなります。

■子宮動脈塞栓術(UAE):子宮筋腫への栄養血管を塞ぎ、筋腫だけを徐々に
壊死・縮小させます(1年後約30%に縮小)。日帰りも可能ですが、強い痛みは
数日続くこともあり保険適応外です。50万円程度)

■MRIガイド下集束超音波手術(FUS):1本1本の微弱な超音波を束にして一点集中
させて筋腫のみ焼灼します。日帰りも可能で痛みのない治療ですが、
保険適応外です。(約60万円程度)

■マイクロ波子宮内膜焼灼術(MAE):直径4mm伸縮自在のファイバー状のアプリ
ケーターを子宮内に挿入し先端からマイクロ波(電子レンジで使用されている
  もの)を子宮内膜へ照射し焼灼して壊死させます。
  1ケ所約1分で複数個所の焼灼も可能ですが、保険適応外の先進医療です。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
引受査定のポイント
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
悪性疾患を除外する必要がありますが、子宮筋腫は一般に良性の疾患なので
死亡保障は現症(小さな筋腫を経過観察しているもの)・既往症ともに標準体での
引受を考慮できます。ただし、現症の場合、閉経期間までは手術の可能性があるので
医療保険については部位不担保での引受を考慮します。

術後の場合、子宮筋腫核出術では残存組織から再発の可能性があるので、医療保険は
部位不担保、子宮全摘出術後で術式等より悪性の可能性がない(50歳未満で
14日未満の入院)場合には、標準体での引受を考慮します。
しかし、30代前半までの妊娠可能期または、50歳以降で子宮全摘出術をしている
場合や、入院期間が長期の場合、また放射線・化学療法等をしている場合は、
悪性疾患も考慮して、病理を含む診断書の取り付けをした上での査定が必要でしょう。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ご意見・ご質問はinfo@hokensatei.comまでお寄せください。

戻る