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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 156◆◇ 2016.11.26

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脊髄硬膜内腫瘍
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脊髄は脳から連続する中枢神経で(日本脊髄外科学会より)、髄膜(内側から
軟膜、クモ膜、硬膜)という3層の膜で保護されています。そして、一番外側
の硬膜より外側にできる腫瘍のことを脊髄硬膜”外”腫瘍(前号のメルマガ)と
いい、硬膜より内側にできる腫瘍を脊髄硬膜”内”腫瘍といいます。脊髄硬膜内
腫瘍はさらに、脊髄内に存在する「髄内腫瘍」と脊髄の外に存在する「髄外腫
瘍」に分けられます。

分類・疫学
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脊髄腫瘍は、脳腫瘍の約10分の1程度と比較的まれで、発生部位別に大きく
3つに分かれます。

(1)硬膜外腫瘍は全脊髄腫瘍の約15%を占めます。転移性腫瘍が多く、そ
   の他は原発性腫瘍です。
(2)硬膜内髄外腫瘍は全脊髄腫瘍の約70%と一番多く、大部分は神経鞘腫
   (しょうしゅ)で、次に髄膜腫が続きます。この他にはまれですが、類
   皮腫、類上皮腫、転移性腫瘍なども発生します。
(3)硬膜内髄内腫瘍は全脊髄腫瘍の5~15%です。大部分(70~85%)
   は神経膠腫(上衣腫や星状細胞腫)で、次いで血管芽細胞腫、その他に
   悪性リンパ腫、転移性腫瘍、海綿状血管腫、脂肪腫、神経鞘腫等があり
   ます。

症状
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腫瘍ができる位置(頸椎、胸椎、腰椎)によっても症状は違ってきますが、髄
外腫瘍の場合は外から脊髄を圧迫し、しびれ、感覚障害、筋力低下、歩行障害、
脱力などの症状が生じます。
髄内腫瘍は脊髄内に腫瘍が発育するので、温度覚と痛覚が障害されたり、膀胱
直腸障害が早期にみられ、筋委縮をきたすこともあります。

診断
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神経学的診察と、MRI(含Gd造影)やCT検査でほぼ診断できますが、最
終的には手術による病理組織学的診断が確定診断となります。その他、骨シン
チや、まれですが造影剤を使用したミエログラフィーや、脊髄血管撮影、腰椎
穿刺が行われることもあります。

鑑別診断
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硬膜外腫瘍(神経鞘腫、髄膜腫、神経線維腫)、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄
症、転移性硬膜外腫瘍、脊髄硬膜下膿瘍、脊髄硬膜外膿瘍、硬膜外嚢胞等があ
ります。

治療
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硬膜内髄外腫瘍で頻度の高い神経鞘腫や髄膜腫では、症状がなくて画像で偶然
発見された小さなものの場合には経過観察のことがありますが、症状がある場
合には、手術で摘出します。
硬膜内髄内腫瘍は脊髄内に発生する腫瘍で、腫瘍の大きさや悪性度により治療
法は異なり、全摘出が可能なものと困難なものがあります。また、悪性度とし
ては、良性のグレード1から悪性のグレード4まであり、グレード1の場合は
経過観察のみの場合がありますが、グレード3、4では診断がつき次第、放射
線や化学療法が選択されます。また、四肢麻痺や排便・排尿障害が残らないよ
うに、手術後は早期からリハビリテーションが行われます。

予後
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悪性度や損傷の大きさ、合併症・後遺症により予後は異なってきます。頻度的
に多い髄外性の神経鞘腫や髄膜腫の場合には、腫瘍を摘出することで、後遺症
なく治癒する場合もあります。

引受査定のポイント
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(硬膜内腫瘍は、髄外性の良性腫瘍が多い)
現症は、死亡保険も医療保険も引受延期と思われます。
既往症については、髄外性の神経鞘腫や髄膜腫と判明した場合には、死亡保険
は保険料割増等の条件付~標準体での引受可、医療保険は引受延期~標準体で
の引受可が考慮できるでしょう。それ以外では、死亡保険は引受延期~保険料
割増等の条件付で、医療保険は引受延期が妥当と思われます。
なお、後遺症・合併症があれば上記評点に加算します。

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