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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 155◆◇ 2016.11.12

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脊髄硬膜外腫瘍
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脳や脊髄は、その全体を「髄膜」という膜に包まれ保護されています。髄膜は
体の表面から硬膜、クモ膜、軟膜という3層構造になっており、クモ膜と軟膜
の間はクモ膜下腔と呼ばれ、髄液で満たされています。脊髄硬膜外腫瘍は、硬
膜より外側にできて脊髄を圧迫する腫瘍です。

疫学
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脊髄腫瘍は、脳腫瘍の約10分の1程度と比較的まれな病気で、大きく3つに
分かれます。

(1)硬膜外腫瘍は全脊髄腫瘍の約15%を占めます。転移性腫瘍が多く、そ
   の他は原発性腫瘍です。
(2)硬膜内髄外腫瘍は全脊髄腫瘍の約70%を占め一番多く、大部分は神経
   鞘腫か髄膜腫です。
(3)硬膜内髄内腫瘍は全脊髄腫瘍の5~15%とまれです。大部分(70~
   85%)は神経膠腫(glioma)で、次いで血管芽細胞腫(約3~8%)、
   悪性リンパ腫、転移性腫瘍、海綿状血管腫等があります。

分類
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転移性硬膜外腫瘍(悪性)が最も頻度が高く、体の他の部位にできたがんが脊
椎などに転移し、その後、脊椎(骨)を破壊しながら大きくなり外から脊髄を
圧迫します。肺がん、乳がん、前立腺がん、消化器がんからの転移が多いと言
われています。原発性硬膜外腫瘍としては、神経鞘腫、血管腫、脂肪腫、血管
脂肪腫などが多くみられます。神経鞘腫単体としてみた場合は、硬膜外にでき
る割合は20%で、約55%は硬膜内にできることが多く、残りの25%は硬
膜内外に見られます。

症状
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腫瘍ができる位置(頸椎、胸椎、腰椎)によっても症状は違ってきますが、一
般的には腫瘍が外から脊髄を圧迫するために、しびれ、感覚障害、筋力低下、
歩行障害、脱力などの症状が生じます。また、転移性腫瘍の場合には、腫瘍は
脊椎の骨を破壊して伸展するため、脊椎がもろく不安定になり疼痛を生じる場
合もあります。

診断
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脊椎のレントゲン写真では、転移性の場合、脊椎骨の骨破壊や骨硬化が見られ
ることがあります。
現在では、MRI(含Gd造影)やCT検査でほぼ診断できますが、最終的に
は手術による病理組織学的診断が確定診断となります。その他、骨シンチや、
まれですが、造影剤を使用したミエログラフィーや脊髄血管撮影、腰椎穿刺が
行われることもあります。

鑑別診断
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硬膜内髄外腫瘍(神経鞘腫、髄膜腫)、硬膜内髄内腫瘍(神経膠腫、血管芽腫、
髄内神経鞘腫等)、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、脊髄硬膜下膿瘍、脊髄硬
膜外膿瘍、硬膜外嚢胞等があります。

治療
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腫瘍の性質により治療法は異なります。一番多い転移性硬膜外腫瘍では、放射
線治療や化学療法などの原発巣に準じた治療が行われます。疼痛のコントロー
ルが主体となることもあります。
手術療法は、確定診断が必要な場合や急速に症状が進行している場合、放射線
治療が無効な場合などに行われます。脊柱の不安定性を伴っている場合には、
脊柱の固定術が行われることもあります。これに対して、原発性硬膜外腫瘍の
場合には、良性のものが多く外科的摘出が行われます。

予後
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大部分は転移性腫瘍なので予後が悪いです。一方、原発性腫瘍で摘出し、良性
で再発がなく、麻痺や膀胱直腸障害等の合併症・後遺症もない場合の予後はい
いです。

引受査定のポイント
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(転移性腫瘍が多いです)
現症は死亡保険も医療保険も引受延期と思われます。
既往症については、転移性腫瘍についてはがんに準じた査定で引受延期となる
場合が多いと思われます。原発性腫瘍で良性の場合、摘出後に後遺症・合併症
がなければ、死亡保険は保険料割増等の条件付~標準体での引受可、医療保険
は引受延期~標準体での引受可を考慮できると思われます。

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