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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 149◆◇ 2016.08.13

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クローン病
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クローン病は、炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease:IBD)の一つで、
病名の由来は1932年に内科医のクローン医師によって限局性回腸炎として
初めて報告されたことによります。現在では、口腔から肛門までのどの消化管
にも起こりうる、非連続性の潰瘍や肉芽腫性炎症を生じる原因不明の疾患とさ
れ、潰瘍性大腸炎と共に厚生労働省の難病に指定されています。

疫学
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医療受給者数では、1976年の128人から平成25年度の39,799人
と年々増加傾向ですが、10万人あたり27人程度で、米国の200人に比べ
ればかなり少なくなります。発症年齢は、10代~20代の若年に好発し、男
性では20~24才がピーク、女性では15~19才がピークです。男女比は
2:1と男性に多く発生します。部位は口腔から肛門までの全消化管ですが、
小腸・回盲部・肛門周囲に特に好発します。

原因
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はっきりした原因は不明ですが、遺伝説、細菌やウイルスによる感染症説、食
事中の成分による異常反応説、腸管の微小な血流障害説などが複雑に関与し、
免疫の過剰な応答が生じて腸の壁に障害(炎症)を与えてしまうことが考えら
れています。

症状
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自覚症状としては、下痢(約80%)、腹痛(約80%)が主症状で、発熱、
体重減少、肛門病変(痔瘻、裂肛、肛門潰瘍等)等が見られますが、血便は潰
瘍性大腸炎ほど高頻度ではありません。また、クローン病は消化管の全層性の
炎症性疾患であるため、口腔粘膜にアフタや小潰瘍を認めたり、重症例では消
化管の狭窄、瘻孔、穿孔といった病態が生じ、外科的な切除が必要な場合もあ
ります。消化管以外では、関節症状(関節炎、強直性脊椎炎)、皮膚症状(結
節性紅斑、壊疽性膿皮症、Sweet病)、眼症状(虹彩炎、ブドウ膜炎)等
があります。

重症度分類
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Crohn’s Disease Activity Index(Cdai)が世界的に広く用いられており、
自覚症状や体重減少、貧血等の各項目をスコア化し、合計の数値により
 150未満:緩解
 150-220:軽症
 220-300:中等症
 300-450:を重症
 450以上:激症
としています。

検査
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血液検査では、CRPや赤沈、白血球が活動性の指標として用いられます。消
化管内視鏡検査では、非連続性病変、敷石像、縦走潰瘍、多発性アフタ、狭窄
・裂溝・瘻孔病変が見られることが多いです。また、小腸については、小腸内
視鏡やカプセル内視鏡検査もありますが、造影検査が一般的には多用されます。
CT・MRI検査は簡便な上、近年では3D再構築による疑似内視鏡検査とし
て行われることもあります。病理学的な生検では、非乾酪性類上皮細胞肉芽腫
と消化管粘膜の全層性炎症所見が特徴的です。

鑑別診断
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潰瘍性大腸炎、過敏性腸炎、腸管ベーチェット、小腸潰瘍、腸結核等がありま
す。

治療
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根治することはなく、寛解導入し維持することが目標となります。栄養療法
(食事制限、成分栄養、低脂肪、低残渣等)、薬物療法(サリチル酸製剤、分
子標的薬、ステロイド、免疫抑制薬)といった内科学的治療の他、消化管狭窄
・消化管穿孔、大量出血、中毒性巨大結腸、癌合併等の重症例に対しては外科
的治療が行われます。

予後
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寛解と活動を繰り返す慢性の難病指定疾患ですが、診断後10年の累積生存率
は96.9%と高く、直接的に生命にかかわることは少ないです。しかし、手
術率は発症後5年で約33%、10年で約71%と高く、手術後の再手術率も
5年で28%と高いことから、定期的に病変の評価をし再燃・再発を予防する
ことが重要となります。

引受査定のポイント
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現症は、死亡保険も医療保険も引受延期の方がよいでしょう。
既往症(寛解)は、数年間は死亡保険は保険金削減、医療保険は部位不担保等
の条件付きで、それ以後は死亡保険も医療保険も標準体での引受が可能と思わ
れます。

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ご意見・ご質問はinfo@hokensatei.comまでお寄せください。

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