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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 145◆◇ 2016.05.26

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多発性骨髄腫
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形質細胞は白血球の中のBリンパ球の一種で、主に抗体(免疫グロブリン)を
産生する細胞です。多発性骨髄腫は、この形質細胞の単クローン性(腫瘍性)
増殖と、その産物である単クローン性免疫グロブリン(M蛋白)の血清・尿中
増加により特徴づけられる疾患で、骨破壊や貧血、免疫低下等の様々な症状を
呈する血液の悪性腫瘍です。

疫学
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わが国では人口10万人あたり約3人の発症で、日本での死亡者数は年間
4000人前後です。全悪性腫瘍の約1%、全造血器腫瘍の約10%を占め、
発症率、死亡率ともに年々増加傾向にあります。
(日本血液学会 造血器腫瘍診療ガイドライン2013年版より)

原因
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骨髄腫細胞には遺伝子異常・染色体異常が生じますが、その原因としては、放
射線の被曝や化学薬品の影響、ダイオキシンの暴露との関連が指摘されていま
す。

症状
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1.造血機能を抑制するため、貧血、白血球減少、血小板減少により、息切れ、
  動悸、発熱、感染症にかかりやすく、出血傾向になります。
2.異常な免疫グロブリン(M蛋白)が増えるため、腎障害や過粘調度症候群、
  アミロイドーシスが生じ、浮腫、頭痛、眼症状、神経障害が生じます。
3.骨髄腫細胞により骨の破壊が進むと、高カルシウム血症、病的骨折、圧迫
  骨折が生じやすくなり、意識障害、頭痛、脊髄圧迫による麻痺等が起こり
  ます。

検査
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尿検査では、M蛋白の1つであるベンスジョーンズ蛋白が排出されるので、尿
中のM蛋白の量と共に腎機能も調べます。
血液検査では赤血球、白血球、血小板等の造血機能の程度とM蛋白の量を調べ
ます。
確定診断は、骨髄検査で行います。腸骨(胸骨)の部位を骨髄穿刺または骨髄
生検し、細胞の形態やマーカー、染色体検査で悪性度についても判定します。
この他、全身検索として全身の骨のX線検査やCT、MRIを行い、円形の抜
き打ち像や病的骨折の有無を調べます。骨髄外の病変を検索するためにPET
検査や、アミロイドーシスの有無を確認するために各臓器の生検を行うことも
あります。

分類
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2003年に国際骨髄腫ワーキンググループにより提唱された分類では、血液
中のM蛋白量と骨髄中の骨髄腫細胞の割合の他に、臓器障害、腫瘤の有無によ
り下記8種類に分類しています。
1.意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症
2.無症候性骨髄腫
3.症候性骨髄腫
4.非分泌型骨髄腫
5.孤発性骨形質細胞腫
6.髄外性形質細胞腫
7.多発性形質細胞腫
8.POEMS症候群

予後因子
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同じく国際骨髄腫ワーキンググループでは、臨床的予後の解析から新しい国際
病期分類が提唱されました。これは、血清アルブミン値とβ2ミクログロブリ
ン値(β2MG)の2つで予後を推定するものです。

生存期間中央値
Stage1  β2MG<3.5mg/LかつAlb>3.5g/dL 62ケ月
Stage2 1でも3でもない場合             45ケ月
Stage3  β2MG>5.5mg/L             29ケ月

この他にも高齢の場合、血小板数低値、LDH、CRP、カルシウム値が高い
場合は進行が早いと言われます。骨髄腫細胞の形態や表面マーカーで細胞の成
熟度が推定され、染色体の4番と14番が転座している場合にも予後は悪いと
言われています。

治療
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メルファランとプレドニゾロンの2種類を内服するMP療法や抗がん剤を3種
類以上併用する各種多剤併用療法があります。その他の治療法としては、大量
の化学療法後に、血液の源となる造血幹細胞を血液中に輸注して造血を図る造
血幹細胞移植があり、これには自家骨髄移植や自家末梢血幹細胞移植、他人か
らの同種骨髄移植や同種末梢血幹細胞移植があります。その他、放射線療法や、
疼痛対策、抗高カルシウム血症、腎障害予防、感染症予防等の対症療法があり
ます。

引受査定のポイント
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平均生存期間は4-5年(造血細胞移植ガイドラインより)なので、病型や病
期にもよりますが、基本的には死亡保険も医療保険も引受延期でよいと思われ
ます。

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ご意見・ご質問はinfo@hokensatei.comまでお寄せください。

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