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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 140◆◇ 2016.03.02

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心不全
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心不全は単一の疾患名ではなく、心臓の機能が低下して全身の組織の代謝に対
して十分な血液を供給できなくなった状態をいい、急性と慢性があります。

慢性心不全は、『慢性の心筋障害により心臓のポンプ機能が低下し、末梢主要
臓器の酸素需要量に見合うだけの血液量を絶対的にまた相対的に拍出できない
状態であり、肺、体静脈系または両系にうっ血をきたし日常生活に障害を生じ
た病態』と定義されています。(慢性心不全治療ガイドライン)

一方、急性心不全は『心臓に器質的および/あるいは機能的異常が生じて急速
に心ポンプ機能の代償機転が破綻し、心室拡張末期圧の上昇や主要臓器への
灌流不全をきたし、それに基づく症状や徴候が急速に出現、あるいは悪化した
病態』と定義されています。(急性心不全治療ガイドライン)

分類
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左心不全と右心不全という分け方や、急性心不全(時間~日単位)、慢性心不
全(月~年単位)という時間による分け方があり、ガイドラインもそれぞれ2
つに分かれています。また、慢性心不全から急に悪くなったものは慢性心不全
の急性憎悪と呼ばれます。

原因
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心不全の原因となる疾患には以下のようなものがあります。
虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症)、心筋症(拡張型心筋症、肥大型心筋症、
拘束型心筋症)、各種弁膜症、各種不整脈、高血圧、先天性心疾患(心房中隔
欠損、心室中隔欠損等)、その他(収縮性心膜炎、心タンポナーゼ、肺高血圧
症、サルコイドーシス、アミロイドーシス等)

これら以外にも心不全をきたしうる多くの病態として以下のようなものがあり
ます。
全身性の内分泌・代謝疾患(糖尿病、クッシング症候群、甲状腺機能異常、
副腎不全等)や栄養障害(ビタミンB1等)、薬剤(抗不整脈薬、カルシウム
拮抗剤等)、化学物質(アルコール、コカイン、水銀、コバルト等)

症状
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息切れ、動悸、呼吸困難、起坐呼吸、易疲労感、下肢浮腫、痰、腹部膨満、
夜間頻尿、食欲不振等の症状が出現します。

診断基準
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(フラミンガム鬱血性心不全診断基準より)

大項目としては、発作性夜間呼吸困難あるいは起座呼吸、心拡大、頸静脈怒張、
ラ音聴取、急性肺水腫等の9項目があります。
小項目としては、足の浮腫、夜間の咳、労作時呼吸困難、肝腫大、胸水、頻脈
等の7項目があります。

これらのうち大項目を2項目、あるいは大項目を1項目および小項目を2項目
有するものが心不全とされています。

診断
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臨床経過や視診・聴診等の診察で疑いますが、初期の心不全は症状も軽く診断
が難しい事があります。次に、胸部レントゲン、心電図、心エコー等の検査を
します。血液検査では、BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)が心不全の重
症度に応じて上昇したり、肝臓や腎臓の数値が上昇する事があります。
原因が不整脈の時はホルター心電図、冠動脈硬化が原因の場合は冠動脈CT、
心筋シンチグラフィーや冠動脈造影検査が行われます。この他の検査としては
MRIや運動負荷試験、心筋生検があります。

重症度
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心不全の重症度を表すものとして、NYHAの分類がよく使われます。
1度(身体制限なし)~4度(いかなる身体活動も制限)まであります。
この他Killip(キリップ)分類やForrester(フォレスター)
の分類もあります。

治療
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薬物療法としては重症度に応じて、ACE阻害剤、ARB、β遮断剤、利尿薬、
強心剤が使用され、重症不整脈には抗不整脈薬も使用されます。非薬物療法と
しては、心臓再同期療法(CRT)があり、これにはCRT-D(両室ペーシ
ング機能付き植え込み型除細動器)やCRT―P(両室ペースメーカー)があ
ります。
これ以外には、ICD(植え込み型除細動器)、手術療法(弁置換術、冠動脈
バイパス術、左室形成術)、VAD(植え込み型補助人工補助心臓)、心臓移
植、心臓リハビリテーション療法、在宅酸素療法、CPAP等があります。

予後
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慢性心不全は治療の経過において急性憎悪を繰り返すことが多く、治療効果に
より急性期を脱すると心機能は部分的に回復しますが完全に回復する事はほと
んどなく、急性期と慢性期を繰り返しながら徐々に全身状態が悪化していくと
いう経過をとり予後は良くありません。

引受査定のポイント
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現症は全て引受延期となります。
既往症は、一過性の急性心不全の場合で一定期間経過後は保険金削減等で引受
の可能性はあると思われます。(原因疾患があれば、それについての評価も加
える必要があります)

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