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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 14◆◇ 2009.12.08

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乳腺線維腺腫
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乳腺線維腺腫は、痛みを伴わない乳腺の良性腫瘍で、上皮組織および繊維性結合
組織の混合腫瘍です。しかし、近年の研究(Clonality解析)では腫瘍というよりは
むしろ小葉の過形成(細胞異型や構造異型は無く、正常の組織より細胞増殖が
進んだ状態)であることが明らかにされています。
病理学的には、さらに、管内型、管周囲型、類臓器型、乳腺症型の分類があり、
細胞診だけでは癌との鑑別が困難な例もあります。

鑑別疾患(似ているが違う疾患)
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■葉状腫瘍:
 上皮細胞は過形成ですが、間質細胞は腫瘍性であるため、初期には区別が容易
 ではなく、急速に増大し血行性に遠隔転移を起こす悪性のものもあります。
■乳がん:
 乳管や小葉の上皮細胞から発生した悪性腫瘍です。
■その他:
 乳腺症・乳管内乳頭腫・乳頭下腺腫・肉芽腫性小葉乳腺炎など。

疫学
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乳腺線維腺腫は、乳腺の良性腫瘍の中では最も多く、20~30代の若い女性に
見られるため女性ホルモンのエストロゲンの関与が考えられています。妊娠時に
巨大化することもあります。
年齢と共に自然退縮するので40~50代での初発はまれです。片側に1個のこと
が多いのですが、まれに複数できたり両側性に発生したりすることもあります。

検査
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・触診:限局性・表面平滑・境界明瞭かつ可動性のある腫瘤で圧痛はありません。
・マンモグラフィー:境界明瞭かつ均一な陰影です。
・エコー:境界明瞭かつ内部エコーレベルが均一な腫瘤・辺縁は平滑です。
・穿刺吸引細胞診:組織ではなく、細胞・分泌物を細い針で吸引します。
・針生検:細胞診より少し太い針で組織を採取します。
・マンモトーム生検:マンモグラフィーやエコーで確認しながら直径約4mmの
 太い針で病変部周辺を穿刺、組織を吸引します。
・摘出生検:診断と治療も兼ね周辺の正常組織も一緒に切除します。

経過
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乳腺線維腺腫は大部分が2cm内外の腫瘤で、増大しても3cmの大きさになる
と増殖が止まり、そこから乳がんが発生することもほとんどありません。
症例の1/3~2/3は年齢と共に自然退縮し、閉経期前後では1cm前後の
ポップコーン形の石灰化腫瘤影としてマンモグラフィーで検出されます。

診断・治療
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3cm以下の乳腺線維腺腫は、年齢と共にその腫瘤が自然退縮することが多いので、
半年~年に1度の経過観察だけで薬物療法等はありません。
3cmを超えるもの、または3cm以下でも、年齢が40才以上で葉状腫瘍等の
疑いがある場合には、除外診断も兼ねて摘出切除することもあります(局所麻酔
で30分程度の日帰り手術です)。再発の可能性もあるので、周辺の正常組織も
含めて切除します。

引受査定のポイント
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鑑別疾患である葉状腫瘍や乳がん等を否定できるかがポイントです。
「乳腺線維腺腫」と告知があっても、術式が乳房全摘術や乳房温存術(乳房扇状
部分切除、乳房円状部分切除、腫瘤摘出術)とあった場合には、悪性腫瘍として
査定する必要があります。また入院期間が長い場合は要注意です。

若年で確定診断後の経過が長く、大きさが小さいものは無条件での引受も考慮します。

40歳以降で経過が長いものでは大きさにより医療保険は部位不担保での引受を
考慮します。
確定診断後の経過が短いものや大きさが不明なものは部位不担保(医療保険)~
延期です。
40歳以降の初発では、検査結果の詳細なエビデンスが無い場合は悪性疾患の
混入を考慮し厳しい査定とならざるを得ません(延期~部位不担保)。

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ご意見・ご質問はinfo@hokensatei.comまでお寄せください。

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