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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 137◆◇ 2016.1.21

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ANCA関連血管炎(AAV)
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血管炎症候群は、主として血管に炎症の主座がある自己免疫性疾患の一群です。
血管は全身に分布しているため全身性疾患となります。わが国でも増加の著し
い血管炎の一つです。ANCA関連血管炎は、MPA、GPA(旧WG)、
EGPA(旧CSS)の3疾患全てが難病指定されています。
ANCA関連血管炎は、罹患血管のサイズから、大型血管炎、中型血管炎、小
型血管炎に分類されます。小型血管炎は、細動脈、毛細血管、細静脈、時に小
動脈を含む血管炎ですが、2012年に免疫複合体性小血管炎と、それ以外の抗好
中球細胞質抗体(anti- neutrophil cytoplasmic Antibody:以下ANCA)
に関連したANCA関連血管炎(ANCA - asociated vasculitis:以下AAV)
の三つに分類されました。(CHCC2012-Chapel Hill Consensus Conference)

症状
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血管炎活動性の評価としてBVAS(2008年)では9項目56所見が挙げ
られています。主なものは、全身症状としては、38℃以上の発熱、関節痛、
関節炎、2kg以上の体重減少、腎病変では血尿、蛋白尿、高血圧、Cr上昇、
耳鼻科的には副鼻腔炎、鼻出血、肉芽腫、難聴、肺病変では喘鳴、肺出血、胸
水・胸膜炎、呼吸不全、腹部症状としては腹痛、下痢、腹膜炎、その他、心血
管病変、皮膚病変、神経病変、粘膜・眼病変の9項目が挙げられています。

診断
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大型~中型血管炎との鑑別には血管造影が有用です。小型~毛細血管炎の中で、
免疫複合体の有無を確認し、免疫複合体(-)群の中で、MPO-ANCA陽
性のものはMPAやEGPA(旧CSS)疑いで、PR3-ANCA陽性のも
のは、GPA(旧WG)疑いとなります。しかし、全ての患者でANCAが認
められるわけではなく、最終的な確定診断には生検が有用となります。

鑑別診断
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小型血管炎(シェーンライン・ヘノッホ紫斑病、本態性クリオグロブリン血症、
悪性関節リウマチ)、大型血管炎(高安動脈炎、側頭動脈炎)、中型血管炎
(バージャー病、結節性多発動脈炎、川崎病)、薬剤性血管炎では、抗甲状腺
薬やヒドララジンの長期投与者、ミノサイクリン、ペニシラミン、アロプリノ
ール、フェニトイン、イソニアジド等の報告があります。

重症度(EUVASによる)
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・限局型:上下気道病変以外の臓器病変、発熱などの全身症状を認めないもの
・早期全身型:臓器機能あるいは生命に危険を及ぼす病変を伴わないもの
・全身型:腎、他の臓器機能に危険を及ぼすもので、Crは5.66未満
・重症型:腎不全、または重要臓器の機能不全を伴うものでCrは5.6以上
・難治型:ステロイド、サイクロフォスファミド(CYC)に反応しない進行性
     の病型
治療
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日本におけるANCA関連血管炎の標準的治療は、厚生労働省難治性血管炎に
関する調査研究斑のプロトコールに準じて行われてきました。軽症例はプレド
ニンの経口に免疫抑制薬の経口を適宜併用します。重症例はステロイドパルス
療法にCYCの併用療法を腎機能に注意しながら行います。
最重症例の場合は重症例の治療に加えて、血漿交換も行いますが、感染に注意
が必要です。寛解維持療法としては、再燃に中止しながらプレドニンを投与し
血管の内腔狭窄、血栓予防のため抗凝固療法、血管拡張剤、抗血小板剤を投与
します。

引受査定のポイント
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基本的に全身性の疾患で難病指定されています。
したがって、死亡保険も医療保険も引受延期とするのがよいでしょう。

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ご意見・ご質問はinfo@hokensatei.comまでお寄せください。

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