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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 135◆◇ 2015.12.2

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薬剤性過敏症症候群(DIHS)
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薬剤性過敏症症候群(DIHS)は、薬疹のひとつですが、服用から発症まで
平均4週間かかることと、原因と薬剤の服用を中止した後も、症状が持続・悪
化することもあるのが特徴です。スティ―ブンス・ジョンソン症候群、中毒性
表皮壊死症とならぶ重症薬疹のひとつです。抗痙攣薬等の薬剤免疫アレルギー
反応に加えて、ヒトヘルペスウイルス―6(HHV-6)の再活性化が重症化
する誘因と考えられています。患者数は、原因薬剤を使用している千人~1万
人に1人と推定されています。

原因薬剤・ウイルス
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テグレトール、アレビアチン、デパケン等の抗痙攣薬が圧倒的に多いです。そ
れ以外ではザイロリック、アロシトール等の尿酸治療薬、メキシチール(不整
脈治療薬)、サラゾピリン、ミノマイシン(抗生剤)、ヘルベッサー等が原因
薬剤としてあります。発症メカニズムについては薬剤により生じた免疫・アレ
ルギー反応をきっかけとして、免疫異常により体内に潜んでいたHHV-6が
再活性化することにより重症化することが考えられています。この他HHV-
7やEBウイルス、サイトメガロウイルスも関与すると考えられています。

症状
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皮疹は斑状丘疹型、ときに多形紅斑型から始まり、さらに全身に紅皮症を認め、
顔面は浮腫状、鼻孔周囲・口囲に丘疹や痂皮(かひ:かさぶた)を認めます。
そのほか、発熱(38℃以上)、咽頭痛、全身倦怠感、食欲不振、リンパ節
腫脹等があります。原因薬剤服用後2~6週(平均4週)後に発症することが
多いのですが、服用してから数年後に発症することもあります。臨床症状は、
原因となる薬剤の服用を中止し、一旦軽快した後に症状が進行する二峰性が特
徴です。

診断
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診断基準は、下記の7項目で、1~7の全てを満たすものが典型的DIHS、
1~5全ては非典型的DIHSです。

1.限られた薬剤投与後に遅発性に生じ、急速に拡大する紅斑
2.原因薬剤中止後も2週間以上遷延する
3.38℃以上の発熱
4.肝機能障害
5.白血球増加(11,000以上)、異型リンパ球の出現(5% 以上)、好酸球増
  多(1,500以上)
6.リンパ節腫脹
7.HHV-6の再活性化

鑑別疾患
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スティ―ブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症、多形滲出性紅斑、多
形紅斑型薬疹、伝染性単核症、麻疹、水痘、悪性リンパ腫等があります。

合併症
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肝炎が51%、間質性腎炎が11%、血液学的異常(好酸球増多、異型単核球)が
30%、その他多臓器障害として肺炎、心筋炎、甲状腺炎、神経学的症状を呈す
ることがあり、肝・腎機能障害のある患者では、症状が遷延化・重症化しやす
くなります。

治療
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原因薬剤の服用中止が第一です。薬物療法としては、ステロイドのパルス療法
が有効です。0.5~1mg/kg/日から開始します。急激な減量はHHV-6の再
活性化を増強するのでゆっくりと漸減します。それでも効果がない場合には、
ガンマグロブリン大量投与の併用も施行されます。重症例では血漿交換が行わ
れますが、施設は限られています。

引受査定のポイント
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現症の場合は、死亡保険、医療保険とも延期としたほうがよいでしょう。
既往症の場合でも1年以内は延期としたほうががよいでしょう。
完治後1年超の場合、重症度に応じて、死亡保険は保険料割増~標準体での引
受可、医療保険は延期~部位不担保等の条件付での引受が考慮できるでしょう。
多臓器障害等の合併症があれば、そちらの評点も加点します。

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ご意見・ご質問はinfo@hokensatei.comまでお寄せください。

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