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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 133◆◇ 2015.10.27

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慢性骨髄性白血病
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血液は骨の中の骨髄で、造血幹細胞から増殖・分化して造られます。造血幹細
胞はまず、骨髄系幹細胞と、リンパ系幹細胞に分かれ、前者からは赤血球、血
小板と白血球のうち顆粒球(好中球、好酸球。好塩基球)や単球が産生され、
後者からは白血球の中のリンパ球(Bリンパ球、Tリンパ球、NK細胞)が産
生されます。慢性骨髄性白血病は骨髄系幹細胞の白血球(顆粒球や単球)のが
んで、フィラデルフィア染色体の異常が原因とされています。比較的ゆっくり
進行します。

疫学
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年間に100万人あたり10~15人発症し、全ての白血病の約2割を占めま
す。発症年齢の中心は45歳~55歳で男性がやや多いです。ちなみに、慢性
リンパ性白血病は全白血病の1~3%程度と少なく、その他は、2/3が急性
骨髄性白血病で(大人80%、子供20%)1/3が急性リンパ性白血病(大
人20%、子供80%)となっています。

原因
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9番染色体のABL遺伝子と22番染色体のBCR遺伝子が切断されて再結合
するBCR/ABL融合遺伝子が作る異常なたんぱく分子が白血病細胞を無制
限に増加させると考えられています。その他、大量の放射線の被曝によって発
症が増加することも調査によって明らかになっています。

病気・予後
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一般的には慢性期に始まり、数年かけて移行期へと移行し、最終的には急性転
化期に陥ります。
慢性期の10年生存率は以前は約25%でしたが、イマチニブという薬の登場
により8年生存率が85%と驚異的な成績となりました。しかし、移行期にな
るとイマチニブの4年生存率は45%にまで低下します。急性期においてはイ
マチニブ単独での1年全生存率は22%しかありません。

症状
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慢性骨髄性白血病は、白血球ががん化して白血病細胞となっても、ほぼ正常の
白血球と同じ働きをする上にゆっくりと進行するため、初期の段階では殆ど症
状が見られず、健康診断などで偶然に見つかることが多いです。進行すると、
貧血症状や全身の倦怠感、無気力、体重減少、脾臓の増大などの自覚症状が現
れます。

診断・検査
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末梢血液検査で白血球数や血液像を調べます。健常人では成熟した白血球のみ
が認められますが、この病気では、原則として幼弱な細胞から成熟した細胞ま
で全ての段階の白血球が認められます。慢性期には芽球の割合は10%未満で
す。確定診断は骨髄穿刺で、骨髄の細胞形態を調べたり、染色体や遺伝子検査
で、フィラデルフィア染色体やBCRABL遺伝子の有無を調べます。その他
触診、超音波エコー、CTにより脾臓の腫大や、好中球アルカリフォスファタ
ーゼ(NAP)活性の低下が参考になります。移行期では芽球の割合は10%
以上20%未満と増加します。さらに数年後に急性に転化した場合には、幼弱
な白血球の増加が顕著になり芽球は20%以上となり、貧血や血小板低下の進
行も認め、NAP活性は上昇に転じます。髄外造血(転移)が認められること
もあります。骨髄検査では、フィラデルフィア染色体以外の新たな染色体異常
が加わる場合も多くあるようです。

鑑別診断
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白血球が増加する疾患としては、感染症、心筋梗塞、甲状腺機能亢進症、悪性
腫瘍、熱傷、手術後等があります。血液疾患としては、骨髄繊維症をはじめと
する慢性骨髄増殖性腫瘍として真性多血症や本態性血小板血症、慢性好中球性
白血病、慢性好酸球性白血病・好酸球増多症などがあります。急性骨髄性白血
病や急性リンパ性白血病も似たような血液像を示します。

治療
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病期、年齢、全身状態等によって治療法が決められますが、治療の目的は慢性
期を長期間持続させ、移行期、急性転化期には、寛解の有無により治療法が変
わる点が特徴的です。
慢性期ではイマチニブ等の分子標的薬の内服を行います。移行期になるとイマ
チニブの増量や他の分子標的薬への変更を検討します。早期に染色体異常の消
失が得られれば、同種造血幹細胞移植により治癒の可能性が期待されます。効
果が無ければ白血球数のコントロールを図り、QOLの維持を目指す治療が主
体となります。急性転化期には急性骨髄性白血病と同様の抗癌剤を使用した化
学療法を併用することもあり治療効果があり慢性期に戻った場合でも、効果の
期間は短いので治癒が期待できる同種造血幹細胞移植が考慮されます。治療効
果が無い場合には、副作用の少ない抗癌剤を使用して白血球数をコントロール
することでQOLを維持しながらの対症的治療法となります。具体的には白血
球減少による感染しやすい場所(口腔、気道、肛門周囲)のケアーや抗生物質、
抗ウイルス薬、抗真菌薬の投与や貧血に対する輸血、出血予防や血小板輸血、
副作用の吐き気止め等の使用があります。

査定のポイント
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最終的な治療終了後、完全寛解の状態が続いているベストケースでも告知範囲
内である5年以内は延期の方がよいでしょう。
5年超寛解が持続している場合には、死亡保険については保険金削減等の条件
付での引受~標準体での引受可、医療保険については引受延期~引受可も考え
られますが、診断書を提出いただき確認したほうがよいでしょう。

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ご意見・ご質問はinfo@hokensatei.comまでお寄せください。

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