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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 131◆◇ 2015.9.29

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レプトスピラ症
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レプトスピラ症とは、病原性レプトスピラ(らせん状の細菌)感染により生じ
る人畜共通の感染症で、多様な症状を示す急性の熱性疾患です。ヒトではワイ
ル病、秋疫(あきやみ)として昔から知られており、2003年11月からは、
保健所に届け出が必要な4類感染症となっています。

疫学
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日本では1970年代前半までは年間50名以上の死亡例が報告されていまし
たが、近年では衛生環境の向上などにより患者数は著しく減少し、現在では散
発的な発生が認められているのみです。(平成26年12月29日~平成27
年9月13日の37週時点での全国届出累計は11例)
一方、国外での流行は全世界的に起きています。特に中南米、タイ、フィリピ
ンなどの東南アジアで流行が見られ、これに伴い、流行地域からの輸入感染例
が報告されると共に、海外からの家畜、ペットなどの輸入動物を介して感染す
る輸入感染症としてのレプトスピラ症にも注目していく必要があります。

原因
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レプトスピラはスピロへーター目レプトスピラ科に属するグラム陰性細菌で病
原性と非病原性の2種類があり、顕微鏡下凝集試験に基づいて現在250以上
の血清型に分類されています。らせん状の細菌で、両端または一端がフック状
に曲がっているのが他のスピロヘーターにはない特徴です。病原性レプトスピ
ラは牛、馬、豚等の家畜や犬、猫などのペットの腎臓に保菌され、尿中に排菌
されます。人へは、保菌動物の尿で汚染された水や土壌との接触により経皮的
に感染します。まれに汚染された水や食物からの経口感染の報告もあります。

症状
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レプトスピラ症は急性熱性疾患であり、感冒様症状のみで軽快する軽症型から、
黄疸、出血、腎障害を示す重症型(ワイル病)まで多彩な症状を示します。
3~14日間の潜伏期間を経て、突然の発熱、悪寒、頭痛、腹痛、結膜充血、
筋肉痛、腰痛等が生じ、その後重症例では黄疸、出血傾向が増強します。DI
Cを引き起こす場合もあり、重症型の死亡率は5~50%とされています。

診断・検査
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臨床症状と共に、問診から、流行地域への旅行歴、汚染された水や、保菌動物
との接触の機会等を疑います。病原体の分離としては、抗菌剤投与前の血液を
培養して、直接菌体を顕微鏡で観察します。血清診断法では、ペア血清で4倍
以上の抗体価の上昇が見られた場合を陽性としますが、250以上もの血清型
が存在し、地域によっても流行血清型は異なるので、スクリーニング法として
は、MCATやELISA法などがあります。その他、レプトスピラ遺伝子に
よるPCRによる検出方法があります。感染症法では、症状や所見から当該疾
患が疑われ、病原体診断もしくは血清学的診断がなされた場合には、直ちに最
寄りの保健所に届け出が必要な4類感染症として定められています。

鑑別診断
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ツツガムシ病、日本紅斑熱、上気道感染症、エボラ出血熱、急性出血性結膜炎、
咽頭結膜炎、インフルエンザ等があります。

治療
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軽症~中等度ではテトラサイクリン系、アミノグリコシド系の服用が進められ
ます。重症例にはペニシリンやストレプトマイシンによる治療が一般的ですが
ペニシリンショックには注意します。脱水、血圧低下、腎不全などの合併症に
対しては、適切な対症療法が必要です。

予防
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汚染された環境や動物との接触を極力避けると共に、ゴーグル、ブーツ、手袋
等を着用し、手洗い、石鹸、シャワーも重要です。不活化ワクチンは6年程度
は免疫が有効とされていますが、250以上ある血清型のうち5つの型にしか
対応していません。軽症例で有効な治療方であるテトラサイクリン系の抗生剤
が予防的に使用されることがありますが、長期の服用は勧められません。

査定のポイント
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現症については一旦延期としたほうがよいでしょう。既往症については、合併
症や後遺症がなければ、死亡保険については保険金削減(2年程度)等の条件
つき~標準体で、医療保険は延期~標準体での引受としたほうがよいでしょう。
合併症や後遺症があればそちらについての評価となります。

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