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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 13◆◇ 2009.11.24

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白内障
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眼の水晶体(9mm×4mm)はカメラのレンズの役割をしており、中心の核・その周りの
皮質と最も外周の嚢(前嚢・後嚢)で構成されています。
成分は蛋白質と水ですが、加齢や紫外線による活性酸素の影響で酸化され、不溶性の
蛋白質となり、灰白色や茶褐色に混濁した状態になります。この状態が白内障です。
昔から「しろそこひ」ともよばれますが、自然治癒はありません。

原因
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加齢性白内障(老人性白内障)がほとんどであり、全体の90%を占めます。
その他の原因には下記のようなものがあります。
・先天性(遺伝・染色体異常)  
・胎内感染(風疹・トキソプラズマ・サイトメガロウイルス)
・外傷性(強い衝撃・電撃等)
・代謝性(糖尿病性・ガラクトース血症)
・併発性(ぶどう膜炎、緑内障、網膜剥離)
・アトピー性皮膚炎の合併症
・ステロイド性(長期投与により)
・放射線性(原爆やレントゲン)
・薬剤性(クロルプロマジン・塩酸ピロカルピン)
・術後白内障(硝子体手術や緑内障手術後)
・有害光線(紫外線・赤外線)

疫学
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40代で30%、50代で50%、60代で70%(手術は5人に1人)、
70代で90%(手術は2人に1人)、80才以上は100%近くが罹患します。
加齢性の白内障が大部分です。
白内障の手術は、日本の眼科手術の約半数(約80万件)を占めています。
両目に起こる事が多く、手術後の予後は良好です。日本では失明原因の6位
(3.2%:平成17年厚生労働省)です。

症状
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・眼がかすむ、ちらちらする、まぶしくなる、複視
・視力低下

治療
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■点眼薬(進行を予防するだけ)
 ・ピノレキシン製剤(カタリンカリーユニなど)
  キノン体で惹起される水晶体の蛋白変性をピノレキシンが阻害します。
 ・グルタチオン製剤(タチオングルタチオンなど)
  水晶体蛋白がSS結合し不溶性蛋白になるのを還元型グルタチオンが阻害します。

■内服薬(進行を予防するだけ)
 ・唾液腺ホルモン製剤
 ・チオブロニン製剤(チオラ)
 ・アルドース還元酵素阻害剤(キネダック)
 ・八味地黄丸(作用機序不明)

■手術
 水晶体中心の核を超音波で粉砕後吸引し、直径6mmの眼内レンズを折りたたんで
 挿入します。1985年頃より普及し1992年4月に保険適応になりました。
 レンズには従来の単焦点眼内レンズと、多焦点眼内レンズがあります(2007年
 に承認)局所麻酔で20分程度。日帰りも可能。炎症は約2週間で回復します。

術中・術後の合併症
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 ・眼内炎:(0.1%) 術後2~3日で発生しますが1~2週間で回復。

 ・緑内障:(0.2~2.5%)

 ・後発白内障:(5%)眼内レンズ挿入後数ヶ月~数年して、残した水晶体後嚢に
  混濁が生じますがヤグレーザーで切り取ることで視力は回復します。

 ・類嚢胞黄斑浮腫:手術の炎症が長く残ると網膜の中心部に炎症の影響がおよび
  視力回復が遅れる事があるので、点眼薬を2ケ月続けます。

 ・水胞性角膜症:手術により、角膜の内皮細胞が減少して角膜混濁を起こすことが
  あります。網膜剥離や術後感染性眼内炎などは非常にまれですが重篤な場合
  失明に至る事もあります。

引受査定のポイント
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白内障は、術後の予後は良好で失明リスクも比較的少ない疾患です。
査定する上では基礎疾患としてぶどう膜炎や糖尿病がないか注意が必要です。
加齢性白内障であれば、生命保険・がん保険であれば現症・既往症を問わず
標準体での引受を考慮してよいと考えます。
医療保険であれば、部位不担保(術後の期間に応じた期間)での取扱いとするの
がよいでしょう。片方のみ手術で反対側の状態が不明の場合は、現症として査定
する必要があるでしょう。

ただし、加齢性でない場合は原因疾患を確認しそれに準ずる査定と、
視力障害の程度の確認が必要です。

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