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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 126◆◇ 2015.7.7

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虚血性大腸炎
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腸は主に「上腸間膜動脈」と「下腸間膜動脈」から血液を受け、酸素や栄養を
供給しています。虚血性大腸炎とは、加齢や動脈硬化等の原因で血流が減少し
大腸粘膜が虚血になることにより、粘膜の浮腫、出血、炎症や潰瘍を生じる疾
患です。突然の激しい腹痛、下血、下痢で発症します。特に左下腹部痛が多く
新鮮な下血がみられ、悪心、嘔吐、発熱が認められることもあります。直前に
便秘をしていることが多いです。

原因・分類
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血流が減少する原因としては、加齢、糖尿病、膠原病・血管炎、血液凝固異常
などがあり、それに他の因子(便秘による腸管内圧の上昇等)が誘因となって
血流が阻害されることで、大腸壁の粘膜やその内側の層に損傷が起こり、潰瘍
や出血が起こるために発症すると言われています。
大腸脾弯曲部から下行結腸は、構造的に虚血性大腸炎が生じやすくなっていま
すが、腸間膜動脈が完全に閉鎖した場合は「腸間膜動脈閉塞症」となり、虚血
性大腸炎よりもさらに重症となります。

疫学
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下行結腸とS状結腸、つまり左結腸に多くみられます。これは、解剖学的に、
上行結腸や直腸への血流に比べて、左結腸の血流が乏しいことによると考えら
れています。年齢的には50歳以上の高齢者に多いとされていますが、若年者
でも、腸管の血管攣縮による生じる場合もあります。

検査
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問診や症状からこの疾患を疑います。血液検査では白血球増加、炎症反応上昇
が見られますが、虚血性大腸炎に特異的ではありません。確定診断は、大腸内
視鏡です。S状結腸や下行結腸に発赤、出血、浮腫、縦走潰瘍等が見られます。
注腸造影検査でも母指圧痕像といわれる粘膜の浮腫による変化や縦走潰瘍が認
められますが、薬剤性腸炎、感染性腸炎、クローン病等との鑑別が重要です。

重症度
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一過性:約半数は一過性で短期間のうちに軽快し、後遺症もありません。
狭窄型:急性期を過ぎた後大腸に狭窄が残るものをいいます。
    腹痛や下痢が続くことがあり、狭窄が高度の場合には手術が必要にな
    ることもあります。
壊死型:比較的まれですが、重症で、激しい腹痛から症状が急速に悪化し、敗
    血症やショック状態を合併して死に至る場合があり、壊死した大腸の
    外科的手術が必要です。

治療
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軽症で入院が必要ないこともありますが、出血や潰瘍がある場合には、入院し
安静、絶飲食で腸管を休め、輸液、抗生剤投与を行います。腹痛に対しては対
症療法的に鎮痛薬を投与します。症状が改善したら食事を開始します。
重症の場合、あるいは軽症でも回復後に瘢痕が生じて部分的閉塞が生じる場合
には大腸の外科的切除が必要になる場合があります。

引受査定のポイント
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現症の場合は、死亡保険も医療保険も一旦延期とした方がいいでしょう。
既往症については、原因不明で手術が無ければ、死亡保険は保険金削減~標準
体での引受可、医療保険は部位不担保等の条件付~引受可と思われます。
高齢者や動脈硬化が原因とわかれば、死亡保険の場合は保険料割増での引受も
考慮します。手術をしている場合や、再発をしている場合には多少厳しく評価
したほうがいいでしょう。

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