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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 125◆◇ 2015.6.23

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熱傷(ねっしょう)
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熱傷とは、熱、放射線、化学的、電気的な接触に起因する皮膚およびそ
の他の組織の損傷状態のことで、いわゆるやけど(火傷)のことをいい
ます。熱傷の程度は、皮膚が「受けた熱の温度」と「受けた時間」によ
って決まるので、比較的低温でも長い時間受けると深い傷害となります
(低温熱傷)。

原因・分類
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◆火炎熱傷:火事、爆発 等
◆熱湯熱傷:湯、油 等
◆熱個体熱傷:ストーブやアイロンに触る、熱い風呂に入る、アンカに
       よる低温熱傷 等
◆化学熱傷:酸やアルカリ、フェノール、クレゾールリン等によるもの
◆放射線熱傷:紫外線による日焼け(含日焼け用ベッド)、X線源への
       長時間・高強度暴露によるもの
◆電撃症:高圧電流等によるもの等で、見かけ上は僅かな皮膚損傷でも
     広範囲に深部組織を損傷していることがある。

重症度は熱傷面積と熱傷深度、および合併損傷で評価します。

<1.熱傷面積>
熱傷が体表面積の何パーセントを占めるかで表します。目安として成人
では「9の法則」というものがあります。性器と会陰は1%とし、その
他は、上肢9%×2、下肢9%×2、頭部9%、体前面9%×2、体後
面9%×2で合計100%で計算します。

<2.熱傷深度>
皮膚のどの深さまで障害が及んでいるかを表します。
1度:表皮だけにとどまっているもので、発赤を来たしますが数日で治
   ります。
2度:真皮に達するもので、水泡を来たし痛みも強くなります。
   表層性2sと深達性2dがあります。
3度:皮下組織まで達するもので痛みはありません。羊皮紙様の皮膚で
   毛が容易に抜けます。また、熱傷の重症度と治療方針の目安に
   【Artzの基準】があります。

軽 症:外来治療で可能      2度15%以下3度2%以下
中等症:一般病院での入院治療   2度15~30% 3度10%以下
重 症:救急センターでの集中治療 2度30%以上 3度10%以上
                 顔面・手・足・会陰の熱傷、
                 気道熱傷、軟部組織の損傷・骨折の
                 合併、化学損傷、電撃傷

<3.合併症>
循環血液量減少性ショック、横紋筋融解、感染、瘢痕(ケロイド)、関
節拘縮を起こして伸展、屈曲制限が生じることがあります。火事などで
は一酸化炭素中毒、気道熱傷、呼吸器系の合併症が生じることがありま
す。

症状と徴候
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1度熱傷は赤く、軽く押すと広範で著明に白く見え、疼痛や圧痛があり
ます。2度の表層性熱傷では、水泡が24時間以内に生じ、繊維性浸出
液が認められます。2度の深達性熱傷では白、赤、または、白と赤のま
だら色を呈します。疼痛、圧痛は弱いです。3度の全層熱傷では白く柔
軟か黒く焦げているか、褐色でなめし皮様か、ヘモグロビンの影響で明
るい赤を呈します。無感覚か感覚脱失がみられます。毛を容易に抜くこ
とが出来ます。通常水泡は生じません。

検査
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入院が必要な場合には、血液検査(Hb、Hct、電解質、白血球、B
UN、Cr、アルブミン等)や、心電図、胸部X線、尿検査(潜血やミ
オグロビン)が必要です。

治療
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治療法は、熱傷面積と熱傷深度による重症度によって異なりますが、初
期治療の原則は冷やすことです。受傷後直ちに冷水で十分に冷やすと効
果的で、その後病院へ行きます。1度であれば無治療かステロイドの外
用のみで軽快します。2度の場合は水疱部を穿刺して中の液体を抜きま
す。乾燥し過ぎない程度に浸出液を吸収する被覆材や軟膏やクリームを
使用します。3度の場合は壊死組織や変性組織の除去と皮膚移植を行い
ます。広範囲の熱傷では、血液量が減少し、血圧低下や腎機能低下を生
じるので輸液が必要です。特に、熱傷面積が10%以上(小児は5%)
で広範囲にわたる場合にはショックを起こして生命に危険が及ぶことも
あり注意が必要です。患者の状態によっては、気管内挿管し、人工呼吸
器で呼吸管理する場合もあります。

引受査定のポイント(重症度と後遺症により)
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現症の場合は、1度、2度で範囲が狭く、後遺症・合併症が少なく、
入院・手術の予定がないと分かれば標準体での引受で問題ないと思われ
ますが、それ以外は、一旦延期とした方がいいでしょう。
既往症については、合併症・後遺症がなければ標準体での引受で問題な
いでしょう。合併症や後遺症がある場合は、死亡保険は保険金の削減等
の条件付、医療保険は部位不担保等の条件付での引受を考慮できるでし
ょう。

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