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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 123◆◇ 2015.5.26

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子宮頸部異形成
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子宮頸部異形成とは、「子宮頸部の上皮の各層において細胞成熟過程の乱れと
核の異常を示す病変と定義され、上皮内癌の基準を満たさないもの」とされま
すが、現在では子宮頸部上皮内腫瘍(Cervical Intraepithelial Neoplasia
略してCIN)と呼ばれる概念の下で、軽度異形成(CIN1)、中等度異形
成(CIN2)、高度異形成と上皮内癌(CIN3)の3つに分類することが
一般的となっています。

原因
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異形成の原因としては、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が注目され
ており、12~14種類のハイリスク型HPV(特に16型、18型)の持続
感染によりその一部が数年~10年という期間を経て子宮頸がんへと進展する
と考えられています。

症状
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ほとんどが無症状であり検診等で偶然発見されることが多いですが、時に不正
性器出血(特に性交時)や帯下(おりもの)の増量を見ることもあります。

検査
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細胞診は、子宮の出口である子宮頸部を診察し、綿棒やへらなどで擦過して細
胞を採取します。後日異常が認められた場合には、コルポスコピー検査や組織
検査を行います。コルポスコピーとは、双眼鏡と顕微鏡を合体させたような膣
拡大鏡で、10~16倍の倍率で子宮頸部を観察できます。その中から、異常
所見が強いと思われる部分が見つかったら、数か所から組織を採取します(
コルポ狙い組織診)。その他、通常の検診で行う細胞診と同じ検体を使用して、
細胞の中のHPV・DNAを検出し、ウイルスの型(ハイリスクの有無)を判
定する検査を行うこともあります。

分類
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細胞診の評価は、日本母性保護産婦人科医会の分類(日母分類)に従い5段階
で評価します。クラス1正常、クラス2炎症、クラス3a軽度異形成と中等度
異形成、クラス3b高度異形成、クラス4上皮内癌、クラス5浸潤癌(含微小
浸潤癌)です。CIN分類では、CIN1軽度異形成、CIN2中等度異形成、
CIN3高度異形成と上皮内癌となっています。SIL分類(ベセスタ方式)
では、LSILは軽度扁平上皮病変で軽度異形成が相当し、HSILは高度
扁平上皮内病変でこれには、中等度異形成、高度異形成、上皮内癌が全て含ま
れ広範囲となります。

日母分類 Dysplasia/CIS分類    CIN分類     SIL分類
 2    HPV感染による細胞異形  扁平コンジローマ  LSIL
 3a     軽度異形成           CIN1      LISL
 3a     中等度異形成          CIN2      HSIL
 3b     高度異形成           CIN3      HSIL
 4    上皮内癌          CIN3      HSIL

なお、子宮頸がんのほとんど(80%以上)は扁平上皮系ですが、腺細胞系の
ベセスタ分類という分類もあります。

治療
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クラス3aの場合には、高度異形成を除外するために、コルポ組織診をし、こ
こでも3aなら自然に正常に戻る可能性が高いので、3ケ月おきの検査をすれ
ばよく、数年以内に大部分が正常に戻ります。クラス3bの場合はそのまま放
置すると癌化率が高くなるので、手術をすることが多いです。
レーザー蒸散は、レーザー光線を用いて病変部を焼き蒸散する方法で、短時間
で、日帰り手術も可能ですが、病理組織の確認はできません。
LEEP法はループ状の細い電気伝導性ワイヤーを用いて、麻酔下で病変領域
を取り去る治療で、病理組織診断や残存や浸潤の有無も検出できます。
円錐切除術は、子宮頸部の異常部分をメスやレーザーを用いてLEEPよりは
少し大きめの円錐状に切除する手術で、上皮内癌や初期がんで、子宮温存を希
望される場合に行われますが、術後の妊娠時には子宮頸管無力症になる率が高
くなります。
凍結療法は異形部分を液体窒素で凍結させ組織を破壊する治療法です。
発がん性HPVの感染から長期にわたる予防のために、子宮頸癌ワクチンが接
種されることがあります。初回、1ケ月後、6ケ月後の3回接種で最長6年以
上効果があるとされていますが、既に感染しているHPVを排除したり、病変
の癌細胞を治す効果はありませんし、一部のハイリスクHPV感染の予防のみ
で、全ての型のHPV感染を防ぐわけではありません。

引受査定のポイント(はじめて異形成が発見された時からの経過年数)
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現症の場合、死亡保険は保険金削減等の条件付~引受延期(3b)、医療保険
については引受延期としたほうがよいでしょう。
既往症については、初めての指摘から数年以内は、医療保険は延期とした方が
いいでしょう。その後、異形成が長期間見られなければ部位不担保~標準体で
の引受を考慮できるでしょう。
円錐切除後は、子宮頸管無力症になりやすいので、妊娠可能な年齢の場合は部
位不担保での引受としたほうがよいかもしれません。死亡保険は保険金削減~
標準体で引受可(切除後)と思われます。

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ご意見・ご質問はinfo@hokensatei.comまでお寄せください。

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