株式会社査定コンサルティング

生命保険査定業務・教育研修等を総合的にサポート

HOME > 未分類 > ◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 122◆◇ 2015.5.8

◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 122◆◇ 2015.5.8

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
心房細動
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
心臓は、心筋と呼ばれる筋肉から出来ており、4つの部屋に分かれタイミング
よく収縮・拡張を繰り返すことで血液を効率よく全身に循環させています。
そして、洞結節という所から電気刺激が毎分60~100回の頻度で心房に伝
達し、次に心房と心室を繋ぐ房室結節を経由して左右の心室に電気刺激が伝わ
ります。しかし、心房細動は、洞結節からではなく心房内の種々の場所から
無秩序に電気的な旋回が生じる為に、心房全体が毎分250~350回の以上
の頻度で細かく不規則な収縮と弛緩を生じる不整脈疾患です。

疫学
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
日本循環器学会の63万人を対象とした2006年報告の疫学調査では、年齢と共に
有病率が上昇します。厚生労働省の第4次循環器疾患基礎調査の心電図検査で
も、心房細動(持続性)の割合は年齢と共に上昇していました。

原因
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
心房筋の機能的、組織学的な変化により心房内の興奮伝導のバラツキや複数の
興奮波が生じ旋回しながら心房を連続的に興奮することが原因と考えられてい
ます。
トリガーとなる基礎疾患には、高血圧や心房負荷を生じさせる僧帽弁狭窄や僧
帽弁閉鎖不全、心房中隔欠損症や甲状腺機能亢進症、虚血性心疾患、心筋症、
WPW症候群等があります。明らかな基礎疾患が確認できない心房細動を、
特に、孤立性心房細動と言いますが、この中の90%以上は、肺静脈の期外収縮
や頻拍がトリガーとなっていると言われています。

症状
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
心房細動の約40%は無症候性ですが、動悸やめまい、労作や運動時の疲労感、
胸部の不快感や、時に胸痛が認められることもあります。

検査
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
心電図では、P波の消失やRR間隔の不整、f波の出現が認められます。
心エコーでは、心臓の形・大きさ・機能を調べ心不全や弁膜症の有無、左房の
血栓の有無を調べます。胸部X線では心拡大や心不全の有無を見ます。心臓C
T検査ではより詳細に断層写真が撮影でき、カテーテルアブレーション時の左
房や肺静脈の形・大きさの評価をします。また、心臓MRIを行うこともあり
ます。血液検査では、BNPの増加が認められます。また、甲状腺機能の検査
を行うこともあります。

分類
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
下記のように定義されています。

初発心房細動:心房細動が心電図上で初めて確認されたもの
発作性心房細動:発症後7日以内に洞調律に復したもの
持続性心房細動:発症後7日を越えて心房細動が持続しているもの
長期持続性心房細動:持続性心房細動のうち発症後1年以上持続しているもの
永続性心房細動:電気的あるいは薬理学的に除細動不能のもの

発作性心房細動は、年間5~8.6%の率で慢性化するとされ、その移行速度は初
期に速く、その後は緩慢になり、5年で約25%が永続性心房細動に移行すると
されています。(心房細動ガイドラインより)

鑑別疾患
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
発作性頻脈、期外収縮、心室細動、洞不整脈、心電図の記録不良等があります。

治療
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
薬物療法としては、心拍数を減らすレートコントロールと、細動を止めるリズ
ムコントロールがあり、前者としてはジゴキシンやベラパミル、ジルチアゼム、
β遮断薬が使用され、心拍数を130以下にコントロールします。後者の除細
動では電気ショックやナトリウムチャンネル遮断薬、カリウムチャンネル遮断
薬等が使用されますが、除細動前から抗凝固薬を使用して脳梗塞も予防します。
若年で夜間や早朝の副交感神経が優位な時に生じる場合には、抗コリン作用を
持ったジソピラミド、シベンゾリン、ピルメノールを使用します。日本での試
験では、発作性心房細動に対してはリズムコントロールの優位性が示されまし
た。また、脳梗塞の予防には、抗血小板薬よりも、ワーファリンの様な抗凝固
剤の方が有効と言われています。薬物以外では、肺静脈と左心房の間の電気的
興奮を遮断するためにカテーテルアブレーションが行われます。発作性心房細
動は初回のアブレーションでは50~80%の有効率ですが、2回目では80
~90%と有効率が上昇します。一方持続性心房細動は根治が困難で、複数回
のアブレーションでも60~75%の成功率と報告されています。
(心房細動治療ガイドラインより)

弁膜症や血栓症がある方は、開胸時に追加的な手術として、心臓の内壁・外壁
に伝導ブロックを作り心房細動を起こさないようにするメイズ手術が行われる
こともあり、洞調律維持率は70~90%と報告されています。

引受査定のポイント
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
現症の場合、死亡保険について、割増保険料+保険金削減を併用する等の
条件付での引受を考慮したほうがよいでしょう。年齢が高い場合や、基礎疾
患がなく以前から明らかな場合は緩和してもよいと考えます。
既往症の場合、死亡保険については、保険金削減等の条件付~標準体での引
受を考慮できます。医療保険については、引受延期~可(発作性心房細動で
アブレーション後)も考慮できますが、若年では基礎疾患に注意し、厳しく
評価したほうがよいでしょう。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ご意見・ご質問はinfo@hokensatei.comまでお寄せください。

戻る