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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 121◆◇ 2015.4.20

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パーキンソン病
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1817年にイギリスのジェームス・パーキンソンにより初めて報告された疾患で
脳内のドーパミン不足とアセチルコリンの相対的増加を原因とする進行性の
神経変性疾患であり、難病にも指定されています。
中年以降の発症が多く、高齢になるほど発症率・有病率は増加 します。
40歳以下で発症した場合は、若年性パーキンソン病と呼びます。日本における
有病率は10万人あたり約100~150人で欧米の300人に比べると低いですが、
高齢化、診断率の向上、治療の進歩による寿命の延長により、有病率は増加
傾向にあります。2011年度の公費受給件数は116526件(厚生労働省)ですが、
これは重症度3以上の方の人数なので、実際の患者数はさらに多くなります。

原因
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中脳黒質緻密質(ちゅうのうこくしつちみつしつ)のドーパミン分泌細胞の
変性により線条体(被殻と尾状核)においてドーパミン不足と相対的なアセチ
ルコリン増加により機能がアンバランスになることが原因と考えられています
が、神経変性の原因については不明です。また、遺伝子異常が原因とも考えら
れており、家族性パーキンソン病の原因として幾つかの遺伝子が同定されてい
ます。その他にも多くの仮説(ミトコンドリア機能障害仮説、酸化ストレス仮
説、感受性遺伝子)が原因となる多因子疾患だと考えられています。

症状
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振戦、固縮、無動の3主徴と姿勢保持反射障害の4つが主要症状です。
初期は左右差がありますが、進行すると両側性になり左右差もなくなります。
眉間の反射亢進によるマイヤーソン徴候や嚥下障害(誤嚥性肺炎は死因の1位
です。)も重要な症状です。運動以外の症状としては、便秘、起立性低血圧、
発汗過多、排尿障害等の自律神経症状や、感情鈍麻、不安、うつ状態、認知障
害、幻視等の精神症状があります。

検査
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確定診断は病理所見ですが、前記の症状や、CTやMRIで特異的な異常が認
められないこと、L-ドーパ投与で症状が改善すること等により、臨床的にパー
キンソン病と診断できるとされています。

重症度分類(Hoehn-Yahr分類)
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1度:一側性パーキンソニズム
2度:両側性パーキンソニズム
3度:軽度~中等度のパーキンソニズム。
   姿勢反射障害あるが、日常生活に介助不要
4度:高度障害を示すが、歩行は介助なしにどうにか可能
5度:介助なしにはベット又は車椅子生活。

公費受給の認定の目安は3度以上とされています。

治療
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根本的な治療法はありませんが、ドーパミンやドーパミン受容体作動薬、MAO-
B阻害薬抗コリン薬等の多くの薬物療法があります。それでも効果がなくADLに
障害を来している場合などは、外科的に脳の深部に電極を埋め込む深部脳刺激
術が行われることもあります。この他リハビリによる運動療法や音楽療法等の
対症療法も行われます。

予後
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パーキンソン病自体は生命を落とす疾患ではありませんが、死因としては、
下記が原因となることが多いです。
・誤嚥性肺炎
・臥床生活となった後の身体機能低下による感染症(下気道感染や尿路感染)
・転落による外傷
また、高率に認知症を合併し、実際の死亡リスクは低いと言っても、臥床状態
や認知症になれば、高度障害や保険料免除状態の可能性が高くなり、生命保険
医学的には死亡リスクと同等と考えなければなりません。

引受査定のポイント(重症度によります)
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振戦のみで投薬はなく、軽症と思われる場合は死亡保険については保険料割増
等の条件付での引受も考慮できます。
粗大な振戦、投薬もあり中等症と思われる場合は死亡保険については保険料割
増等の条件付での引受~延期としたほうがよいでしょう。医療保険はいずれの
場合にも引受延期としたほうがよいでしょう。
精神障害等もあり重症と思われる場合は全て延期でしょう。
続発性のパーキンソン症候群の場合には原因疾患を加算します。

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ご意見・ご質問はinfo@hokensatei.comまでお寄せください。

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