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◇◆医学豆知識メルマガ Vol. 120◆◇ 2015.3.27

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網膜色素変性症
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網膜はカメラでいえばフィルムの役目をしており、黄斑と呼ばれる中心部に多
くある錘体(すいたい)細胞は中心視力や色覚に関係し、それ以外の大部分に
分布している杆体(かんたい)細胞は暗い所での物の見え方や視野の広さに関
係した働きをしています。
網膜色素変性症は、このうち杆体が主に障害されるために、暗所で物が見えに
くくなったり(とりめ、夜盲)、視野狭窄や視力低下をきたす遺伝性、両側進
行性の病気です。厚生労働省の公費対象の難病に指定されています。

平成24年度医療受給者証保持者は27,158人で、網膜色素変性症の頻度は、大体
1万人に1~2人と言われています。遺伝子が原因の病気ではありますが、明ら
かに遺伝傾向が認められるのは約50%です。その中で、常染色体劣性遺伝が
35%、次が常染色体優性遺伝で10%、X染色体劣性遺伝は5%となっています。
成人中途視覚障害原因の3位と言われています。
(1、2位は緑内障、糖尿病性網膜症)

原因
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視細胞に密着している網膜色素上皮細胞に特異的に働く遺伝子の異常によって
起こるとされています。現在も多くの原因遺伝子が分かっていますが、解析の
精度と速度がアップしてきているので、今後もさらに原因となる遺伝子異常が
同定される見込みです。視細胞のうち杆体のみの変性を杆体ジストロフィー、
杆体と錘体両者の変性を杆体錘体ジストロフィーと言います。

症状
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両側性で進行は緩徐です。まず、暗いところでの見え方が悪くなり(とりめや
夜盲)次第に視野の狭窄によりぶつかりやすくなったり、車の運転に支障が来
るようになります。視力の低下や色覚異常はあとから出てくることが多いです。
この他に光視症、羞明などの症状があります。この病気は緩徐な進行性の病気
ですが、悪化速度には個人差があり、症状が逆から生じることもあります。
白内障、黄斑浮腫、感音性難聴や聾唖、緑内障等の合併症を伴うことがありま
す。

検査
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眼底検査では網膜血管狭細、網膜色素上皮の色調変化を認め、進行すると骨小
体様色素沈着が認められます。視神経萎縮、黄斑変性、無色素性、白点状の所
見が見られる場合もあります。視野検査では、求心性、輪状、地図上など病変
に一致した狭窄が見られます。暗順応検査では、暗順応曲線の第2次曲線の閾
値の上昇が見られます。視力は徐々に低下しますが、黄斑部に及ぶと急激に低
下し始めます。電気生理学的所見としては、網膜電図の減弱型、陰性型、消失
型や網膜常在電位の異常が検出されます。蛍光眼底造影所見では網膜色素上皮
の萎縮、網脈絡膜萎縮による過蛍光が見られます。
光干渉断層像では中心窩におけるIS/OSの不連続または消失等の異常があ
ります。なお、炎症性のもの(梅毒、トキソプラズマ等)、続発性のもの(中
毒性、外傷等)は網膜色素変性症の診断から除外されます。

重症度分類
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1:矯正視力0.7以上、かつ視野狭窄なし
2:矯正視力0.7以上、視野狭窄あり
3:矯正視力0.7未満、0.2以上
4:矯正視力0.2未満
このうち、2、3、4の人が医療費助成の対象者です。

治療
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現時点では進行を止める有効な治療法はありません。対症療法として、遮光眼
鏡の使用、ビタミンAや循環改善薬の内服、拡大読書器など補助具の使用等が
あります。将来的に期待される治療法としては、遺伝子治療、網膜移植、人工
網膜、網膜再生、視細胞保護治療などの研究が推進されています。

予後
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原則として進行性ですが、早さに関しては個人差があり、早い人では40代で
社会的失明状態(矯正視力0.1以下)になりますが、生涯良好な視力を保つ
例もあり、医学的失明(光覚なし)にいたる割合は高くないと言われています。
死亡リスクはありませんが、両側性なので、生活に支障をきたしたり、高度障
害状態や保険料免除特約に該当する確率は高くなると思われます。

引受査定のポイント(両側で進行性です。)
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合併症がない場合は、死亡保険は視力について、視力の特別障害不担保等の
条件付で引受可能でしょう。医療保険については、視力の特別障害不担保、
部位不担保等の条件を全期間つけて引受を考慮できるでしょう。

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